スペイン人はコーヒーをよく飲みます。
朝食はトーストとコーヒー。昼食後にコーヒー。バルで休憩する時もコーヒー。1日でコーヒーを飲むタイミングが何度かあることも珍しくありません。
そして、ミルクの量に応じてコーヒーの呼び名が変わるのも特徴。ひとくちにコーヒーと言っても種類がたくさんあるのです。
というわけで、スペインで飲まれるコーヒーの種類とバルでの頼み方をご紹介します。
ミルクの量で呼び名が変わるスペインのコーヒー
スペインではコーヒーに入れるミルクの量によって、名前が変わります。
スペインのバルでコーヒーを頼む時に「カフェ」だけだと伝わらないのは、ミルクの量によって呼び名が異なるから。しかも、日本のように「カフェラテ」や「カプチーノ」は通じないことが多く、スペイン式のコーヒーの頼み方をする必要があります。
私がセビリアで生活していて覚えたスペインのコーヒーの呼び方はこちら。
カフェ・コルタード(cafe cortado):コーヒー7〜8割、ミルクが2〜3割
カフェ・コン・レチェ(cafe con leche):コーヒー半分、ミルク半分
カフェ・マンチャード(cafe manchado):コーヒー2〜3割、ミルク7〜8割
カフェ・アメリカーノ(cafe americano):コーヒー半分、お湯半分
ただしコーヒーの呼び方には地域差があるので、別の呼び方で呼ばれることもあります。コーヒーの種類と別の呼び方は以下で解説!
カフェ・ソロ(cafe solo)
カフェ・ソロはコーヒー(エスプレッソ)のみで、小さいカップで出されます。
食後や目を覚ましたい時にカフェ・ソロを頼む人がいるようです。バルでカフェ・ソロを飲んでいる人は実際はあまり見かけないけど。
カフェ・コルタード(cafe cortado)
コーヒーが7〜8割で残りがミルクと、ミルクの量が少ないコーヒーがカフェ・コルタード。地域によっては、カフェ・ラルゴ(cafe largo)という言い方もされるようです。
日本でエスプレッソ以外にここまで濃いミルク入りコーヒーはないはず。コーヒーの苦味が好きな人は、カフェ・コルタードだとコーヒーのパンチを感じることができるでしょう。
カフェ・コン・レチェ(cafe con leche)
スペインで一番飲まれているコーヒーがカフェ・コン・レチェ。
「何飲む?」と聞かれたら「カフェ・コン・レチェ」と言う人が大多数です。スペインのバルでコーヒー飲みたかったら、とりあえず「カフェ・コン・レチェ」と言っておけば万事OK。
カフェ・コン・レチェはコーヒーとミルクの割合がちょうど半分くらい。日本のカプチーノのようにミルクが泡立ってはいないですが、だいたいカプチーノと同じくらいのコーヒーの濃さです。
アンダルシアでは朝食にトーストとカフェ・コン・レチェを楽しむのが一般的。朝のバルやカフェに行ったら、みんなカフェ・コン・レチェ飲んでるはずです。
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朝食チュロスを提供しているバルでは、チュロスをカフェ・コン・レチェに浸して食べている人も見かけます。
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カフェ・マンチャード(cafe manchado)
私は実はコーヒーがあまり好きではありません。私のようにコーヒーが苦手な人はカフェ・マンチャードを頼むとよろし。
コーヒーの割合が2〜3割で残りはミルクなので、コーヒーの苦味に苦労することなく飲むことができます。
マンチャードは “manchar(染みをつける)” というスペイン語で、名前の通り染みをつけるくらい少しの量のコーヒーということ。
地域によっては、カフェ・ラグリマ(cafe lagrima)と呼ぶこともあるそうです。ラグリマはスペイン語で涙。涙くらいの少しの量ということでしょうね。
そんな少しの量のコーヒーでも、バルによっては元々のエスプレッソが濃くてマンチャードでも苦いなと感じることがあります。
私のように本当にコーヒーが苦手な人は「ムイ クラロ(muy claro)」または「ムイ ポコ カフェ(muy poco cafe)」と伝えてみてください。ほとんどミルクのコーヒー牛乳風の飲み物が出てきます。
ヘレス・デ・ラ・フロンテーラでは「レチェ・マンチャ(leche mancha)」と言うと、同じくコーヒー牛乳風の薄めコーヒーのマンチャードが出てきます。
マラガはコーヒーの呼び名がさらに細かい
アンダルシア地方のマラガでは、さらに細かい段階でコーヒーの呼び名が定義されています。
ラルゴ(largo):コーヒー90%
セミラルゴ(semi largo):コーヒー80%
ソロ コルト(solo corto):コーヒー70%
ミタッド(mitad):コーヒー50%
エントレ コルト(entre corto):コーヒー40%
コルト(corto):コーヒー30%
ソンブラ(sombra):コーヒー20%
ヌベ(nube):コーヒー10%
以前にマラガのバルで「カフェ・マンチャードの超薄いやつ!」と頼んだら、「マラガではヌベって言うんだぜ」と店員さんに教えてもらいました。
スペインのバルのコーヒーの特徴
スペインはバル文化。コーヒーを飲む時にカフェではなくバルで頼むことも多いです。
休憩がてらバルで1杯のコーヒーを頼むと、それだけでスペインに馴染めた感も。
ここから先は、スペインバルのコーヒーの特徴をご紹介します。
スペインのバルのコーヒーは安い
日本にたくさんあるカフェは、コーヒー1杯300円〜500円程度だと思いますが、スペインのバルのコーヒーはもっと全然安いです。
私が暮らしているセビリアのバルでは、コーヒー1杯がだいたい1.2ユーロくらい。2019年11月の為替レートで計算すると、日本円で1杯145円くらいです。
観光客がたくさんいるエリアにはスターバックスもありますが、スタバのコーヒーは4ユーロ近く(480円程度)するので、地元の人がスタバには行かずバルでコーヒーを飲むわけです。
ミルクの種類を選べることがある
スペインのバルでコーヒーを頼む時に、ミルクの種類が選べる場合があります。
レチェ・デ・アルメンドラ(leche de almendra):アーモンドミルク
レチェ・デ・アロス(leche de arroz):ライスミルク
シン・ラクトサ(sin lactosa):乳糖なしのミルク
カフェなどでは豆乳やアーモンドミルクを見かけることがあるかも。一般的なバルだと、普通の牛乳しかないことも多いので、あくまでもあったらラッキー的な感じです。
ミルクの熱さについても同様。熱いのか冷たいのか聞かれたら好きな方を答えれば良いけど、特に聞かれないことの方が多いです。
レチェ・フリア(leche fria):常温のミルク
スペイン人は猫舌の人が多いのか、常温のミルクを入れたコーヒーの方が好きという人が多いですね。
ガラスのコップで出てくる
ガラスのコップにコーヒーが入って出てくると、スペインっぽい!
カフェのマグカップの方が冷めずにコーヒーを飲めるのだけど、スペインの人はみんなガラスのコップで飲みたがります。ガラスのコップだからいいの。
バルによってはマグカップにシフトしているところもあるので、ガラスのコップでコーヒーが飲みたかったら「エン・バソ(en vaso)」という頼み方をすればOKです。
夏はアイスコーヒーもOK!氷代は取られます
夏のバルではコーヒーじゃなくてほとんどがビール!になるけど、アイスコーヒーが飲みたい時は氷を別でもらうことができます。
「コン・イエロ(con hiero)」と言えば、ホットのコーヒーと氷が入った大きいコップを渡されるので、氷にホットコーヒーを入れてアイスコーヒーに仕上げる形です。冷やしておいたアイスコーヒーよりこっちの方がおいしいって言うよね。
アイスコーヒー用の氷代は、別に請求するバルの方が多いです。追加20セントくらい。
カフェインを取りたくない時はカフェインレスコーヒー
午後にコーヒーを飲むとカフェインで眠れなくなっちゃう!という人は、カフェインレスコーヒーが頼めます。デスカフェイナード(descafeinado)と付け加えればOK。
デスカフェイナード・デ・マキナ(descafeinado de maquina)は、カフェマシーンで淹れたコーヒー。マキナ(maquina)と言わないと、袋入りのカフェインレスコーヒーが出されることがあります。
カフェマシーンはカフェイン入りと共有なので、ほんの少しのカフェインが入ってしまうこともあるようですが、「デスカフェイナード・デ・マキナ!」と頼んでいる人が多いです。
スペインのバル文化になくてはならないコーヒー
スペインの人々は、バルで友達とおしゃべりをしたり、休憩をとったりする合間にコーヒーを楽しんでいます。
「tomamos cafelito?(コーヒー飲んでく?)」と言われたら、コーヒーが飲みたいのではなく話がしたいということ。日本の「お茶してかない?」と同じですね。
スペインのバル文化にコーヒーはなくてはならない飲み物です。コーヒーの頼み方がわかってたくさんのコーヒーが楽しめると、スペインのバルにさらに馴染むことができますよ!
最後まで読んでくれてありがとう。
Hasta luegui!!!
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