スペイン語で「半分のオレンジ」は運命の人?赤い糸伝説

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スペイン語で運命の人を意味する言葉は、“Media Naranja” と言います。

先日とあるクラスで、日本語では“Media Naranja”という言葉はあるのか?と聞かれ、考え込んでしまいました。日本語だと「赤い糸」に当たるのかな?と。

というわけで、スペイン語の “Media Naranja” の意味と伝説について調べてみました。

目次

スペイン語「Media Naranja」の意味

スペイン語では運命の相手のことを、 “Media Naranja” という言い方で表現します。直訳すると半分のオレンジ

自分は半分のオレンジで、それとぴったりハマる片割れの半分のオレンジを指して “Media Naranja” という言い方をするようです。

調べていると “Media Naranja” には2つの意味があるようなので、“Media Naranja” の2つの意味をご紹介します。

理想的な生涯を共にする相手

一般的にスペイン語で “Media Naranja” と言ったら、生涯を共にする相手のことを指すことが多いはずです。

自分にぴったりの理想的な伴侶のことで、“Eres mi media naranja.” という言い方で夫婦や恋人同士で使われます。

フラメンコの歌のクラスで出てきたのはこの意味の “Media Naranja” で、運命の人に出会えた喜びを歌っているもの。

Viva la media naranja viva
Viva la naranja entera…〜♪

半分のオレンジ(運命の相手)よ万歳
オレンジ丸ごと一個(運命の相手と出会えたこと)よ万歳

日本語にするとだいぶダサいですが、歌詞全体は「運命の相手と出会え母親に契りを結んでいいかと尋ねたら、もちろんいいわよと言われた」的な内容が素敵なスペイン語で綴られています。

最高の相棒

もう一つ “Media Naranja” には、最高の相棒という意味もあります。

まさに杉下右京さんが出てくる日本のドラマ「相棒」のような感じで、これ以上ないくらい相性が良い友達や仕事仲間に対しても “Media Naranja” というスペイン語が使えるようです。

スペイン「Media Naranja」の伝説

なぜスペイン語で “Media Naranja” が自分の片割れである運命の相手を意味するようになったのか、“Media Naranja” にまつわる伝説を調べてみました。

“Media Naranja” は、ある喜劇から生まれた言葉だそうです。その喜劇の内容はこんな感じ。

かつて人間はオレンジのように丸いものだった。時代を経て、2つの顔、4つの腕と足の、人間が2人くっついたような形に変化した。
神トールはこの変化に怒り、全てを殺そうとした。しかし、神ゼウスは罰を与えようと体を半分に割った。
こうして1つの顔、2つの腕と足の現在の人間の姿になったが、もともと自分の半分だった片割れを探すことになった。

この伝説が本当ならば、“Media Naranja” はもともとは自分と一心同体だった片割れ

だから、自分とピッタリ合う相手だし、生まれた時から相手が決まっている日本の「赤い糸」にも似ているなと思いました。

日本「赤い糸」の伝説

ついでに、日本の「赤い糸」の伝説についても調べてみました。

「赤い糸」の伝説には諸説あるようですが、一般的なのは中国の「太平広記」に記されている伝説が有力のようです。それは漢文の教科書で読んだことがあるような気がするこんな話。

ある青年が旅の途中に不思議な老人と出会う。
老人は死後の世界から来た神様で、現世で男女の足首に赤い糸を結ぶ役目をしていた。赤い糸で結ばれるとどんなことがあっても縁が切れず、最後には結ばれるのだそう。
青年が現在進行中の縁談について尋ねると、相手にはすでに赤い糸で結ばれた相手がいるので破談になると言われてしまう。そして青年の赤い糸の相手は3歳の娘だと判明。
怒った青年は3歳の娘を殺すように指示した。しかし殺害は失敗し、娘は額に傷を負ってしまう。

青年の縁談はなかなか決まらず、ついに14年後紹介された娘の額に傷があった。聞くと、14年前に殺されかけた時にできた傷だという。
青年は老人が言っていたことが正しかったのだとやっとわかり、娘と結婚して娘を大切にした。

なんだか乱暴な話ですが、運命の赤い糸で結ばれた相手とは縁を切ることができないということですね。

スペイン語「Media Naranja」は運命の人

スペイン語の “Media Naranja” は、運命の人という意味です。

日本の「赤い糸」と少し違うかなと思うのは、結婚や恋愛の相手だけでなく友達や仕事仲間など相性がピッタリ合う相手に対しても “Media Naranja” は使えるらしいということ。

ちなみに「翻訳できない世界のことば」という本に、スペイン語の “Media Naranja” が掲載されているそうです。日本語で表現しにくいスペイン語ということなんだね。

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最後まで読んでくれてありがとう。
Hasta luegui!!!

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この記事を書いた人

スペイン語とスペイン文化+αを学ぶため会社を退職して2015年〜2021年までスペインのセビージャ暮らし▷2024年東京大学文学部に学士入学して現在は美学芸術学専修の3年生。好きな言葉は「我々は無理をしない」のふなっしー推しなっし。多言語学習中。X(twitter)は悩める大学生活や勉強に関するポスト多め。

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