スペイン南部のアンダルシアにある生ハムの村ハブーゴに行ってきました!
ハブーゴで『Cinco Jotas(5J)』の生ハム工場で説明を聞き、おいしいシェリー酒とともに3種のイベリコ豚の生ハムを食べ比べ、工場見学後は併設のレストランでさらに生ハムを食べ、バルに移動してまたもや生ハム…
とにかく生ハム三昧でした。贅沢や…。
『Cinco Jotas(5J)』の生ハム工場と併設レストラン、おいしくておすすめです。セビリアやウエルバに滞在する予定がある人は、ぜひ生ハムの村ハブーゴに行ってみて!
スペインの生ハムの村ハブーゴ旅行記スタート。
アンダルシアの生ハムの村ハブーゴ
ハブーゴとはスペイン南のアンダルシア、ウエルバ州にある小さな村です。本当に小さくてオスタルもないようなところ。
ハブーゴは何たってイベリコ豚の生ハムが有名。
スペインのハモン・イベリコの4大産地のひとつです。
ハブーゴの村に到着すると、「JABUGO el jamon」(生ハムの村ハブーゴ的な意味)の大きい文字が出迎えてくれます。
セビリアからハブーゴへの行き方
セビリアのプラサ・デ・アルマスバスターミナルからハブーゴへは、バスが出ています。朝のセビリア発に乗り、夕方ハブーゴ発に乗れば日帰りは可能です。
バスは途中アラセナに停車して20分休憩。この休憩の間に食べてほしいのはアラセナのバスターミナルのチュロス・コン・チョコラーテ。
アラセナのバスターミナルのチュロスは有名なようで、みんなが頼んでいます。
正直期待していなかったけど、おいしかった!チョコレートもいい感じで濃厚です。
アラセナを過ぎた後は、かわいらしい村を通り抜けてハブーゴへ向かいます。
ハブーゴは終点ではないので、乗る時にハブーゴで降りたいと運転手さんに伝えておきましょう。ハブーゴに着いた時に教えてくれます。
◆セビリア〜ハブーゴ
交通手段:バス
会社:DAMAS
セビリアのバスターミナル:プラサ・デ・アルマス
本数:1日2本
所要時間:約2時間
料金:往復18.62ユーロ
※時刻表・チケット購入はDAMASの公式サイトで要確認(OrigenにSEVILLA、DestinoにJABUGOと入力)
Cinco Jotasの生ハム工場見学
ハブーゴには、スペインの生ハムのトップブランドとして名を轟かせる『Cinco Jotas(5J)』の生ハム工場があります。
ハブーゴに来たら『5J』の生ハム工場見学は行っとくべき!理由は後で説明する。
ハブーゴの村に入ってバスを降りると、右手にすぐ5Jの工場が見えてきます。
工場の見学ツアーは2名以上いないとツアーは催行しないので、事前に電話で予約しておくと安心です。説明言語(スペイン語か英語)は予約の際に確認してね。
『Cinco Jotas(5J)』のレストランは過去にセビリアで1回、バルセロナでも何回か行きました。文句なしのおいしいイベリコ豚の生ハムです。
そんな超絶おいしい生ハムを提供するレストランの工場に入るなんて!ドキドキ。
生ハム工場の見学ツアーは、かつて豚を〆て吊るしていた少々残虐な広場からスタートします。
外に豚を吊るしていたため、約30%が虫食いなどでダメになってしまっていたそう。昔は食べるものも少なかったので、脂分の多い生ハムが製造されていたそうです。
現在は12度〜18度、湿度70%に調節されている室内で管理されているので、ダメになる脚の確率は3%にまで下がったのだそうで。すごい違いだね。
「イベリコ・ベジョータ」と呼ばれる生ハムは、どんぐりを食べて育ったイベリコ豚です。
生ハムの産地として有名なハブーゴやアラセナの周辺は、大地のため夏は乾きます。秋にどんぐりが収穫されると、お腹を空かせた豚はここぞとばかりにどんぐりを食べるのだそうです。
どんぐりを食べると身体を温めることができ、各細胞に脂肪分を蓄積することができます。そして、人肌で溶ける脂肪を持った超おいしいスペイン最高級生ハム「イベリコ・ベジョータ」ができあがるのです。
ぷはーっ!お腹空いてきたZE!!
最高級のイベリコ豚には、以下の特徴があります。
- 耳が目に出ている
- 鼻が長い
- 毛がまっすぐ
- 脚が細い
サラブレッドのように育てられた豚が、「イベリコ・ベジョータ」として消費されていくのだね。
工場の中では5J創業の歴史や、生ハムの製造工程(さすがに生ではなくビデオ)を見ていきます。
5Jは創業140年、現在は4代目となってるスペインの老舗企業。最初はハブーゴにあった家の地下で、生ハムを製造するところから始まったそうです。
生ハムの製造工程は以下のように紹介されました。
- 豚の外見を見て脂をそぎ落とす perfilador
- 豚に塩をかけていく salazón
- 生ハムに仕上げるために豚を乾かす secadero
- ひまわり油を塗って最終仕上げをし匂いを嗅ぎ分ける bodeguero
いずれもプロフェッショナルが活躍する大切な工程とのこと。プロの技の集大成がおいしい生ハムなのですね。
そしてお待ちかね!生ハムを吊るしている現場です。
これは圧巻!生ハムの脚がずーっと並んでいます。
どれくらいの期間熟成してるのかはタグでわかるようになっていて、触って匂いを嗅いで熟成度合いをはかるのだそうです。
匂いで熟成度合いを嗅ぎ分けるとは、熟練の技なんでしょうね〜。
最後にイベリコ豚の生ハムの3種類の部位を試食できるタイミングがあります。しかもフィノ(辛口)のシェリー酒付き!
まさか3種類も試食できるなんて!バルでは生ハムの部位を指定することができないから、貴重な体験です!
試食できるイベリコ豚の生ハム(イベリコ・ベジョータ)は以下の3種類。
- Jarrete(ハレテ)またはCodillo(コディージョ):脚先に近く筋が多い部位
- Maza(マサ):一番多く取れる部位
- Punta(プンタ):脚先から最も遠く脂が多い部位
まずは生ハムを手に取り脂の部分を指で触る。人肌で脂が溶けます。
次に匂いを嗅ぎます。正直匂いの違いはそこまでわからなかった。
最後に口へ生ハムを運びます。
うまっ…
脚先から一番遠いプンタが一番脂身が多かったですね。私は一番多く取れる部位とされる一般的なマサが好みでした。
目の前でカットしたばかりの生ハムを食べる至福のとき。それも生ハムに合うフィノのシェリー酒が付いて!
プロがカットした生ハムは、おいしいことこの上なし。本当に。
生ハム工場見学ツアーに参加して良かったと心から思ったのはこの瞬間です。この瞬間に出会えるだけでも15ユーロの価値があります!
◆5Jの工場見学ツアー
・Esencia Cinco Jotas(私が参加したツアー)75分15ユーロ(2人〜)
10:30 12:00 16:00 17:30
・Experiencia Cinco Jotas(農場を見に行くツアー):3.5時間60ユーロ(4人〜)
10:00 16:00
住所:Carretera de San Juan del Puerto, Jabugo
電話番号:603 599 061 / 600 955 703
営業日:水曜〜土曜 10:00-19:00 / 日曜 10:00-14:00
隣のレストランでさらにイベリコ・ベジョータ
生ハム工場を出たところには、いかにもな名前のレストラン『Las Bellotas』(スペイン語でどんぐりの意味)があります。
レストランは同じく5J経営のレストランで、最高級のイベリコ豚生ハムが食べられる!
というわけで、吸い込まれるようにして『Las Bellotas』に入って行きました。
食べたのはもちろんイベリコ豚の生ハム(ハモン・イベリコ・ベジョータ)。それも一皿。
この時だけはいいの、贅沢したかったから。
アルコールは何がおすすめ?って聞いたら、やはりフィノのシェリー酒だそうです。
一杯目はワインならこれとおすすめされた白ワイン。二杯目はシェリー酒をいただきました。
生ハム以外も食べたいなとオーダーしたアルボンディガス(肉団子)シェリーソースも、とてもおいしかった!ソースもペロリ。
それなりに高いレストランですが、生ハムの村ハブーゴに来たら財布の紐が緩むのはしょうがないです。
平日は10ユーロのランチメニュー(Menu del dia)があるようなので、平日に行く人はランチメニューがお得かも。
◆Las Bellotas/ラス・ベジョータス
住所:Carretera San Juna del Puerto, Jabugo
電話番号:95 903 21 11
営業時間:昼の時間のみ
定休日:不定休
バルでも生ハム
ハブーゴは小さい村なので、レストランやバルは数えるほどしかありません。
工場でイベリコ豚の生ハムを食べ、レストランでも一皿の生ハムを食べたのに、さらにバル『La Bodeguita』でも生ハムを食べてみました。
結論から言うと、ハブーゴで生ハムを食べるなら、お金を出してレストランで食べた方が良いです。お金と質は比例する。
最初に生ハム工場で食べたイベリコ豚の生ハムが一番おいしかった。工場見学して期待して期待して食べた生ハムだったからね!
ハブーゴの村散策
5Jの生ハム工場を見学するのを待つ間に、ハブーゴの村を少し散策しました。
ハブーゴを支えてきた生ハム職人たちを称える銅像がありました。
市庁舎のある広場にはバルが2軒くらい。
日常風景かのように馬に乗っている人を見かけました。
ハブーゴと言えば生ハムだよねというメッセージは、村の随所に見られます。
5Jの生ハム工場の目の前にあるバルコ通り(calle Barco)。バルコとは船の意味で、道路が船のような形をしているからその名がついたとのこと。
このバルコ通りは5Jの創業者が住んでいた通りで、家の地下で生ハムを作っていたところです。
バルの柵が豚になっているのはハブーゴらしさの象徴っぽいです。
生ハム好きにはおすすめのハブーゴ
スペインのアンダルシアを旅する中で、ハブーゴに行こうと思う人は少ないかもしれません。
観光名所はこれと言って何もないし、セビリアから結構遠くてアクセスが微妙。
でも、生ハム好きな人なら一度は行ってみても良いと思う、ハブーゴ。
特に生ハム工場で一通り説明を受けた後に、プロがカットしてくれて食べた生ハムはすっごくおいしかったです。
夏なら冷たい辛口シェリー酒と生ハムの組み合わせは、最高なんじゃないでしょうか!
最後まで読んでくれてありがとう。
Hasta luegui!!!
コメント
コメント一覧 (10件)
ハブゴですか、懐かしい。かれこれ40年近くになりますが、ウエルバには良く行きました。女房がコルドバ人で、ハブゴも何回か行ってハモンやチョリッソ沢山頂きました。また行ってみたいなー。ありがとう。
> 津田さん
奥様はコルドバの方なのですね!コルドバも生ハムで有名な町があったような記憶があります。
生ハムは各地のレストランで食べられるけど、ご当地で食べると雰囲気もあって格別ですよね!
個人的に冷たいシェリー酒との相性が良かったです。
ぜひまたハブーゴで生ハム、チョリソ三昧してみてください。
こちらこそ読んでいただきありがとうございます(^^)
11月半ばに一泊二日ですがセビーリャにいくのでmoniさんのブログ最近めっちゃ見てます!料理人なので工場見学とても興味がありますがちょっと今回は時間がなさそう。また安いフライトを見つけたら行ってみようと思います。月曜のフリーチケット情報、とっても参考になりました、ありがとうございます!すごく楽しみ
>サエ さん
ブログ読んでいただきありがとうございます!
お料理や食べることが好きでしたら、セビージャのバル巡りするだけでもとっても楽しめると思いますよ♫
次回はぜひハブーゴの工場にも行ってみてください!工場見学の後の生ハムは本当に本当においしかったです…涙。
またお時間のある時にブログに遊びにきてください(^^)
生ハム好きにはたまりませんね!
さぞ美味しかったことでしょう!
ハモンイベリコは日本で買うととんでもない高価ですので、滅多に味わえません。
> komuroranさん
はい!それが本当においしくて、今まで人生で食べた生ハムの中で一番おいしかったんです!
生ハムはカットする人の技量によっても味が変わるようなので、工場の生ハムを知り尽くしたプロの人にカットしてもらえたのは大きかったような気がします。
スペインでもハモンイベリコは安いものではないので(日本よりは安いですが)、なかなか食べられない高級品ですね。
ここの工場見学は行ってよかったと本当に思いました。また行きたいです…😋
ハエンとマドリッドに住んでいた頃、スペインで一番おいしい生ハムは何だ?と、スペイン人の友人に聞いたら、
「ハモン・ハブ―ゴ」だと教えて貰いました。確かに美味しい生ハムでした。 日本で食べたハモン・イベリコ
とは全然違う美味しさ、それ以来、ハモン・ハブ―ゴにはまりましたよ。
バルでは、冷た~いビール、シェリー酒それにマンサニージャと共に最高でした。
懐かしさと共に読ませて頂きました。
>石井清繁さん
ブログ読んでいただきありがとうございます(^^)
ハブーゴの生ハム工場で食べた生ハム、本当においしくてスペインで今までに食べた生ハムの中で文句なしの一番でした。
カットする技量も味を左右するそうなので、普段から生ハムを取り扱っている人はカットもうまいのかもしれないですね。
シェリー酒と生ハム、この組み合わせも最高ですね〜♪
私もまたハブーゴで生ハム食べたくなってきました。笑。
漫画でしか知識がありませんので申し訳ありません。
以前「美味しんぼ」でハブコ地方のハモン・イベリコを紹介していましたが、おそらくこちらだと思われます。私が住んでいる市内の肉店でも小さなパック入りのものを販売しており、3切れで500円弱です。産地は確認していませんが、こんなものでしょうか?味は良かったと思います。
日本で美味しいハモンイベリコを入手する方法がありましたらご教示ください。
ちなみにイタリア産プロシュートは近くのお店でクラテッロ、パルマ、クルードを無理がない価格で購入し、チーズ・ワインとともに楽しんでいます。
> bokka様
ブログ読んでいただきありがとうございます(^^)
「美味しんぼ」ではハブーゴ、またはアラセナのレストランが紹介されていると聞いたことがあります。(アラセナだったかも!?)
スペイン国内には生ハムの産地がたくさんあるので、ハブーゴ産だけでなくエストゥレマドゥーラの生ハムなども有名です。
3切れの大きさにもよりますが、ハモン・イベリコ・ベジョータだったらもう少しするかもしれませんね。スペインでも安くない生ハムなので、日本で買うとすごく高く感じると思います。
日本でブランド物のハモン・イベリコを入手するには、輸入食品を取り扱うお店やお肉専門のネットストアなどになるかと思いますが、実は日本でまだ生ハムを探していないので、今度探してみます!
お肉専門のネットストアを以前に見ていたので、そこでいいハモン・イベリコに出会えるといいのですが…。
リオハやリベラなどスペイン産のワインもおいしいので、生ハムと一緒に楽しんでみてください♪