スペインに、コリアデルリオにサンドウィッチマンが来るらしい!ということで、セビリアからバスに乗ってコリアデルリオに出かけました。
劇場には日本人の姿もたくさん。セビリアやコリアデルリオ周辺には、こんなにたくさんの日本人が住んでいたのね!
コリアデルリオで見たサンドウィッチマンと川上ミネさん、そして仙台すずめ踊りの公演について。そして私が感じたそれぞれのエネルギーについて書きます。
コリアデルリオで公演が行われる経緯
セビリアからバスで1時間ほどのところにある村コリアデルリオで、サンドウィッチマンが出演する公演が行われることを偶然知りました。
コリアデルリオは400年以上前に支倉常長が慶長遣欧使節団を引き連れて訪れた地。使節団の一部がコリアデルリオに住み着き、「ハポン」姓を持つ侍の子孫が生きていると言われています。
何やら使節団にいた日本人が住み着いたと断定できる書物はないらしいけど、状況証拠からコリアデルリオに住み着いた日本人がいるのは間違いないだろうということだそう。
そんなコリアデルリオと支倉常長が仕えていた伊達政宗のお膝元の仙台は深いつながりがあり、今回仙台出身のサンドウィッチマンを迎えた公演が行われることになったようです。
しかも、全て招待制なので入場料はなし!何と太っ腹な公演なのでしょう。
川上ミネさんのピアノ
第一部は川上ミネさんのピアノ。
川上ミネさんはピアニスト、そして作曲家。川上ミネさんが故郷や子供の頃を思い出しながら、見たもの、感じたものを、美しく情景豊かにピアノで表現していきます。
私は子供の頃にピアノを習っていました。小学生からはヤマハの専門コースに入り、その中で作曲を学んだ(正確にはやらされた笑)こともあります。
当時の私は作曲する時に何かの情景を思い浮かべたり、自分の感じたことをピアノで表現しようなんて全く思っていなかった。ただピアノに向かって思いつくままに引いてみるだけ。
だけど、作曲と言うのは本当に難しい。
漠然と引いてもどこかで聞いたことがある曲になったりするし、そもそもコンセプトがなく作曲に向かおうとしているので、作曲は私には苦痛でしかなかったです。神が降臨するわけでもないしね。
そんな自分の子供時代を思い出しながら、川上ミネさんの音を聴いていました。
川上ミネさんは表現したいものが目の前にあって、ピアノの音でそれを伝えようとしている。私が作曲に向かっていた様子とはまるで大違い。
(もちろん川上ミネさんはプロなので、子供の頃の私と比較すること自体おこがましいのは百も承知です。)
川上ミネさんが子供時代に見たことや感じたこと、支倉常長を想像しながら描いた光景をもとに表現する音の世界。私もその中に入ったように感じながら、情景を想像ながら演奏を楽しみました。うっとり。
クラシックピアノの演奏を聴くコンサートとは違い、川上ミネさんの話を交えながら進んで行くスタイルも良かったです。
キューバで教えていた生徒ラウリートの話からつながるモーツァルトのピアノソナタの変奏曲は素晴らしかった!ラウリートの弾いている様子が想像できます。
「ピアノで伝えたいものがある」そんな川上ミネさんのエネルギーが、川上ミネさんしか表現できない音となって会場を浮遊しているようでした。
サンドウィッチマンのコント
私はお笑いを生で見るのはおそらく初めてです。その記念すべき第一回目がサンドウィッチマン!これは嬉しい!
サンドウィッチマンと言えば、M-1グランプリ2007で敗者復活から優勝した時のコントを覚えています。宅配ピザの話。
実力派であり、みんなに愛されている日本を代表するお笑い芸人さん。そんなサンドウィッチマンが、スペインはセビリアの小さな村コリアデルリオに来るなんて!
まずは、会場を暖めるためにサンドウィッチマンが日本から持ってきたお土産をスペイン人に食べさせるというコーナー。
東京バナナは好評だったけど、梅干しはスペイン人的には嫌いな味かな?一番右にいた「舌が死んでる」の彼、めっちゃ面白かったですね。
お次はサンドウィッチマンの漫才。サンドウィッチマンの2人は日本語で話し、後ろにスペイン語字幕というスタイルで漫才をやりました。
漫才の内容は当日の公演に絡めたもの。日本語で聞いている私たちはもちろん楽しめたし、スペイン人もゲラゲラ笑ってたので面白かったのだと思います。
日本の文化を知らないスペイン人を笑いに誘うのは簡単なことではないでしょう。
日本人もスペイン人もわかるテーマをチョイスし、国が違えば異なる笑いのポイントもおさえないといけないからね。両人を笑わせるとはさすがです!
その後は、レアな!サンドウィッチマンによるスペイン語のコント!
この日のためにスペイン語を練習したそうですが、間に合わなかったのでカンペを使いますとのこと。忙しいだろうに、スペイン語を練習してきたということにビックリ!
カンペを使っているのに、間違って伊達ちゃんのスペイン語のセリフを発してしまう富沢さん。あまりに自然すぎて大爆笑したけど、あれも仕込みだったのならお見事!
最後には、日本人向けに日本でいつもやっているスピードで漫才をしてくれました。寿司屋のやつ!やっぱりいつものスピードの漫才だとテンポ良く、調子出る感じですね。
これが日本の伝統芸能のお笑いだ〜!ということで笑わせてもらいました。
サンドウィッチマンのお二人、仕事が超絶忙しいだろうにスペインのコリアデルリオまで来てくれて、たくさん笑わせてくれてありがとうございます!
仙台有志によるすずめ踊り
最後は仙台から来られた選抜メンバーによるすずめ踊りです。
「すずめ踊り」とは、1603年に伊達政宗がお城を建てた時のお祝いとして踊られたもので、仙台では100を超える団体があるほどの伝統的な踊りなのだそうです。
「すずめ踊り」というものを初めて見たけど、かなり激しい踊りですね!動きが激しいというよりは、ずっと中腰、休みなし、掛け声をかけながら踊るということで、かなりのスタミナがいる踊りではないかと拝見しました。
「すずめ踊り」の練習は年中していると言っていましたが、本当にそうなんだと思います。
伝統的な踊りは数ヶ月やそこら練習したからってマスターできるものではなく、親から子へ、はたまた師匠から弟子へ、というような形でずっと受け継がれているのではないでしょうか。なんかフラメンコと似てますね。
日本にいたら知ることすらなかったかもしれない「すずめ踊り」。圧巻の踊りをコリアデルリオで見られました!
「すずめ踊り」の選抜メンバーの皆さん、はるばる仙台からスペインのコリアデルリオまで来てくれてありがとうございます!
スペインで日本に触れる
スペインに来るとスペインのものにばかり触れたくなるのですが、日本に触れる機会は意外とあります。
私は特別日本愛が強いわけではないから、これまで特に気にしていなかったのですが、今回は正直サンドウィッチマンのおかげで日本に触れる機会を持てました。
コリアデルリオは日本にゆかりのあるスペイン人もたくさん住んでるし、公演を見に来ていたスペイン人は日本に興味がある人が多かったと思います。
そんな人たちが日本のお笑いを見て爆笑してたり、伝統舞踊を見て「espectaclar!!」って言っているのを見て、私も日本の伝統芸能をちょこっと再発見できたような気がする。
そして何よりも川上ミネさんの音で描くことにかけるエネルギー、サンドウィッチマンがお笑いにかけるエネルギー、仙台の皆さんがすずめ踊りにかけるエネルギーを感じました。
私も自分のエネルギーを使っていきたいと思いました。
最後まで読んでくれてありがとう。
Hasta luegui!!!
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