セビリアの街の中心にあるセビリア大聖堂(カテドラル)は、実は世界第3位の大きさの大聖堂です。
荘厳な大聖堂は圧巻。そして100メートル近くあるヒラルダの塔にも登れるのです!
セビリア大聖堂とヒラルダの塔の歴史と見どころと、チケットの事前予約・購入方法を画面付きでご紹介します。
イスラムの名残があるセビリア大聖堂
セビリア大聖堂(カテドラル)はセビリアの一番人気の観光名所。1987年にはユネスコの世界遺産に登録されました。
セビリア大聖堂はかつては大きなモスクでした。そのため、セビリア大聖堂にはイスラム教建築の名残がところどころに見られます。
モスク時代にミナレットだったのは現在のヒラルダの塔です。
ミナレットとは、人々に礼拝を呼びかけるための背の高い建物で、モスクに併設されていました。礼拝を呼びかける行為のことをアザーンと言うそうです。
イスラム教では礼拝前に身を浄めるために中庭を作っていたそうで、セビリア大聖堂にもモスク時代に作られたオレンジの中庭が存在します。
ゴシック様式に変身したセビリア大聖堂
セビリア大聖堂(カテドラル)の建立の歴史が始まったのは1401年。160年かかってモスクをゴシック様式に改修しました。
1248年のレコンキスタ(イベリア半島をキリスト教徒が奪還した動き)の後も、150年以上モスクのまま利用されていたことになります。
セビリア大聖堂には有名なスローガンがあります。
“Hagamos una iglesia tan hermosa y tan grandiosa que los que la vieren labrada nos tengan por locos” -Cabildo
後世の人が見て、建立した人は正気ではなかったと思うような美しく大きいカテドラルを建てよう。
セビリア大聖堂は何度見ても飽きない、本当に美しい大聖堂だと思います。
現在のセビリア大聖堂はゴシック建築の部分のみで幅83メートル、長さ126メートル、高さが最も高い部分で37メートル。
世界的なゴシック建築の大聖堂の中でもセビリア大聖堂は特に大きく、セビリア大聖堂の歴史の中でモスクからゴシック様式への改修は相当大規模なものだったと考えられます。
ゴシック建築が好きな人には、セビリア大聖堂の雰囲気は圧巻です。柱の数は28本、写真の右側に見えているのは大きなパイプオルガン。
世界第3位ということもあって大聖堂はもちろん大きいですが、重厚で繊細なゴシック様式の造りに驚かされます。
セビリアの賑やかな外の雰囲気とはまた異なり、観光名所でありながら神聖な空間であることも感じられます。
セビリア大聖堂の見逃せぬ見どころ
セビリア大聖堂(カテドラル)の中に入ると雰囲気に圧倒されますが、見どころとなる部分がいくつかあるので見逃さぬように。
有名なコロンブスの墓
セビリア大聖堂で人気の見どころと言えば、大聖堂に入ってすぐのところにあるコロンブスの墓です。
セビリアはコロンブスにゆかりのある場所です。コロンブスが航海の前にセビリアに宿泊したり、文献を探したり、昔のセビリア(現在のウエルバ)から航海を始めたり、とね。
1502年に亡くなったコロンブスは、セビリアのカルトゥハ修道院に一時的に眠っていました。その後、サント・ドミンゴに棺が移され、最終的にセビリア大聖堂に棺が移ってきました。
スペインでは英雄扱いとなっているコロンブスの墓は、当時存在していた4つの国(カスティージャ、レオン、ナバーラ、アラゴン)の王の遣いによって支えられています。お墓というより担がれている棺です。
こちらも大作 黄金衝立
セビリア大聖堂を観光する際に見逃せないもう一つの見どころは、主祭壇にある黄金衝立です。
主祭壇の黄金衝立には金色のとても細かい装飾でキリストとマリアの人生の重要な44場面が描かれています。中央は「聖母被昇天」の図。
黄金衝立の製作の歴史が始まったのは1482年ですが、構想から完成までに80年もかかったそうで、こちらも超大作です。もともとは28場面の黄金衝立でしたが、のちに場面が追加されました。
黄金衝立には「Virgen de la Sede」という名前のマリアがいて、セビリア大聖堂の守護聖人となっています。
荘厳な雰囲気の聖歌隊席
主祭壇の黄金衝立の正面にあるのは聖歌隊席です。
聖歌隊席の奥には美しいステンドグラスの光が注ぎ、大聖堂の神聖さを感じる場所になっています。
バックのステンドグラス美しく、私はしばしここで大聖堂の空気を感じるのが好きです。
ゴヤ作の絵画「聖フスタと聖ルフィーナ」
セビリア大聖堂には大きな絵がいくつも飾られていますが、その中でも有名な絵はフランシスコ・デ・ゴヤ作の「聖フスタと聖ルフィーナ」です。
聖フスタ(サンタフスタ)と聖ルフィーナ(サンタルフィーナ)は、異教礼拝用の供物製作というローマ司教の命令を拒んだことで殉教してしまった姉妹。
「聖フスタと聖ルフィーナ」はゴヤがセビリア大聖堂から依頼されて描いたものだそうです。
1755年にポルトガルのリスボン大地震の際に、聖フスタ(サンタフスタ)と聖ルフィーナ(サンタルフィーナ)が現れてヒラルダの塔が倒れるのを守ったという逸話があります。
フラメンコの歌詞では聖フスタと聖ルフィーナが出てくるものが。私が聞いたことがあるのは、ブレリア。
Santa Justa y Rufina son dos hermanas
Una vive en Sevilla y otra en Triana…聖フスタ(サンタフスタ)と聖ルフィーナ(サンタルフィーナ)は姉妹。1人はセビリアに住み、もう1人はトリアナに住んでいる…
街のランドマーク ヒラルダの塔
セビリア大聖堂(カテドラル)のイメージとして一番有名なのは、セビリアの真っ青な美しい空にそびえ立つヒラルダの塔でしょう!
セビリア大聖堂の近くまで来てドーン!っと立つヒラルダの塔を見ると、思わずパシャリしたくなるはずです。
晴れた日は紺碧の空に佇むヒラルダの塔がとても美しい。
あまり近いとヒラルダの塔の全貌がカメラに収まりきらないので、少し離れたところから撮るのがコツです。
夜のヒラルダの塔は少しロマンチックな雰囲気に。特に夏の夜は真っ暗にならないので、セビリア大聖堂と濃い青の夜空のコントラストも美しいです。
セビリア大聖堂とヒラルダの塔は昼も夜もフォトポイントなので、セビリア観光の際はお見逃しなく。
ヒラルダの塔の歴史
ヒラルダの塔は、1184年にモスクの礼拝を呼びかけるアルミナールとして建設が始まりました。
モスクの時代の高さは82メートル。上に金メッキの4つの球体。ちなみに球体はスペイン語でmanzana=りんごとも呼ばれていたそうです。
16世紀のキリスト教の時代になると、キリスト様式の鐘楼部分(鐘がある部分)が追加されました。
鐘楼部分はキリスト教への信仰心を表すスタイルを意識したそうで、モスクの時代からの変化を示したかったのかと考えられます。
ヒラルダの塔のシンボル「ヒラルディージョ」
ヒラルダの塔の一番上にいるのは、ヒラルダの塔のシンボルであるヒラルディージョちゃんです。
鐘楼の4つの角に立っているのはブロンズの白ユリで、昔作られたものの復刻版。さらにその上にあるのがルネッサンス様式の頂塔とドーム。その上にヒラルディージョ。
もともとヒラルダは塔のてっぺんにいるヒラルディージョのことを指していました。風によって回る像(スペイン語のgiro)、つまり日本で言う風見鶏のこと。
そのうち塔全体をヒラルダと呼ぶようになったので、てっぺんの像をヒラルディージョと呼ぶようになったそうです。
ヒラルディージョのレプリカは大聖堂の入り口にもいます。
ヒラルダの塔の上まで登る!
ヒラルダの塔の高さは約97.5メートル、上にちょこんと乗っかるシンボルのヒラルディージョを含めると104.メートルです。スペインで1番高い塔だって。
ヒラルダの塔は、頂上までスロープで登ることができます。
ヒラルダの塔の頂上まで登るスロープは34スロープ。かつては馬に乗ったまま頂上まで登れたそうな。
ヒラルダの塔の頂上からは、グアダルキビル川や闘牛場などのセビリア市街地が見渡せます。あれがスペイン広場かな?と想像しながら、ぜひ登って市街地を見てみてください。
世界にはヒラルダの塔のレプリカがある
ヒラルダの塔と言えばもちろんスペインのセビリアを象徴するものですが、世界にはヒラルダの塔のレプリカがあるそうです。
ヒラルダの塔のレプリカがある都市はこの2つ。
- セビリアと姉妹都市になっているアメリカのカンザスシティ
- スペインエストレマドゥーラ州のバダホス
かつてはニューヨークにもあったそうですが、他の建物を造る時に取り壊して現在はないそうです。
カテドラルチケットの事前予約・購入方法
セビリア大聖堂(カテドラル)とヒラルダの塔のチケットはオンラインで事前予約・購入できるようになりました。
通常チケット・入場無料時間のチケット・屋根に登るツアーのチケットの予約・購入をご紹介します。まずセビリア大聖堂の公式サイトへ。
公式サイト右側の「ENTRADAS/TICKETS」のプルダウンを開き、言語を選択します。(ここではスペイン語で説明)
人数が9名以下なら上、10名以上なら下を選択します。
通常チケットの購入方法
通常のチケットは公式サイトの左上「Catedral, Gilarda y Salvador」を選びます。
日付と時間を選び、チケットの種類と枚数を指定します。
金額を確認し、右下の「COMPRAR(購入)」ヘ。※2020年1月から大人10ユーロに値上げされました
左側に個人情報を入力し、内容と確認の上、右下の「PAGAR(支払い)」へ。
以降はクレカの決済画面。正しく購入が完了すると以下の画面が出ます。
月曜無料チケットの購入方法
月曜日の16:30〜18:00はセビリア大聖堂(カテドラル)とヒラルダの塔の入場料が無料の時間です。
無料と言っても手数料1ユーロを取られるので、実際は1ユーロで入場が可能。
入場料無料の時間に入るには、事前のチケット予約・購入が必要です。
しかし、いつ買えるのかしらというくらいすぐ売り切れるので望みは薄い。以下手順で無料入場のチケットが購入可能か確認してみてください。
人数の選択が終わったら右上「Catedral y Giralda gratis los lunes」を選び、月曜の日付を選択します。
日付を選択してこのメッセージが出たら、入場料無料のチケットはもう売り切れていて申し込めないという意味です。
日付と時間の選択ができた場合は、通常チケットと同様の手順で予約・購入ができます。
セビリア大聖堂の屋根に登るツアー
セビリア大聖堂(カテドラル)には屋根の上に登るツアーがあります。
カテドラルの屋根に乗るなんて、なかなか貴重な体験となりそうですよね。
1日に4〜5回程度と時間が限定されていて、屋根に登るツアーはチケットの事前予約・購入が必要です。
屋根ツアーの予約も公式サイトから。左下の「Cubiertas de la Catedral」を選びます。ツアーの言語を選ぶ画面の後の手続きは、通常チケットの予約・購入方法と同じ。
カテドラル屋根ツアーは最低10名、最高25名の催行で、13歳以上に限ります。カテドラル屋根ツアーの料金は保険含め15ユーロです。
市民は無料
セビリア市民は無料でセビリア大聖堂(カテドラル)とヒラルダの塔に入ることができます。
N.I.Eが書かれている学生査証カード(tarjeta de estudiante)を見せれば、入場料無料で入れてもらえました。
一度だけ学生査証カードでNGを出されたことがあります。公式には自分の住所宛に届く公共料金の請求書や、銀行からのお知らせ通知などの、居住が証明できることを見せないといけないそうです。
学生査証カードで無料で入れたらラッキーくらいで思っておいた方がいいかも。
神聖な空気が流れるセビリアの大聖堂
セビリア大聖堂(カテドラル)は大人気の観光名所であり、絶対に見逃せないスポットです。
2017年はスペインで5番目に観光客が多かった観光名所がセビリア大聖堂だったそう。世界で5位ってすごくない?
いつも人が多いセビリア大聖堂ですが、大聖堂の中に入ると静かな空気が流れていて落ち着きます。中に入らなくても、大聖堂のそばを通る時にはいつもヒラルダの塔を拝むのがなんとなく習慣。
セビリア大聖堂では定期的に礼拝が行われていて、一般の観光客が入れない時間帯があります。チケットを現地購入しようと思ってる人は、ご注意ください。
◆セビリア大聖堂(カテドラル)
住所:Av. de la Constitución
入場時間:月曜〜土曜 11:00-19:00・日曜 12:00-19:00(入場18:00まで)
無料時間:月曜〜金曜 14:00-15:00(祝祭日を除く)
観光所要時間:1時間〜1.5時間
料金:
大人 12ユーロ(オンライン)13ユーロ(窓口)
25歳以下の学生と65歳以上 6ユーロ(オンライン)7ユーロ(窓口)
13歳以下とセビリア市民は入場無料
最後まで読んでくれてありがとう。
Hasta luegui!!!
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