英語の仮定法を勉強している時、スペイン語の接続法と似ているなと思いました。
そして、英語の仮定法ってスペイン語の接続法と同じなのか?という考えが巡りました。
スペイン語で接続法は「subjuntivo」と言いますが、英語で仮定法は「subjunctive mood」と言うそうじゃないか。あれ同じやつ?
スペイン語の接続法の方が用法が多く、英語の仮定法の方が覚えることは少なそうです。スペイン語の接続法と英語の仮定法の違いを書いてみます。
英語の仮定法
英語の仮定法とは、現実とは違う想像や仮定の話題を上げて、「こうだったら〜こうしたのに」という願望をあらわす文や、相手に提案・命令・要求する時の文です。
英語の仮定法は4つの種類があります。
仮定法過去:〜だったら〜したのに
仮定法過去完了:〜だったなら〜していたのに
仮定法未来:もし〜したら
仮定法現在:提案・命令・要求
スペイン語の接続法は新たな動詞の活用になるけど、英語は would や could を付け加えて表現するので、新しく覚えることがなくていいっすね。
英語では相手に「〜してほしい」と言いたい時に「want 人 to do」の形を取れますが、suggest や propose のように、that節を導く仮定法現在でしか表現できないケースもあります。
スペイン語では、相手に〜してほしい系は全て接続法になります。ここが違い。
スペイン語の接続法
スペイン語の接続法は英語の仮定法とほぼ同じで、現実的でない事柄や可能性の低い事柄を話したり、相手にお願いや命令をする時に使われます。
接続法理解はスペイン語の肝でして、まずは接続法現在をしっかり理解しないと、B2で接続法過去が出てきた時にジーザス!ってなります。
私がB1で接続法現在を学習し始めた時は、わからなすぎてかなり混乱しました。
その時は英語の仮定法もよくわかっていなかったので、「スペイン語はなんてややこしい言語の使い方するんだコノヤロー」って思ってましたね。
英語の仮定法をきちんと知っていれば、スペイン語の接続法は英語の仮定法にプラスされる要素がある程度くらいに覚えられたかもしれません。
スペイン語は接続法になると動詞の活用が変わるので、新たに動詞の活用を覚える必要があります。quieres が quieras になったりとかね。
それでスペイン語の接続法に混乱した私が、まずざっくり覚えたのは以下の6つ。
お願い・命令系の文
「私はあなたにXXしてほしいんです」「XXしなさい」などのお願い・命令の文章は、スペイン語では接続法になります。
英語の仮定法現在と同じになりますが、英語とは違い「want 人 to do」という形はとりません。
Quiero que no fumes aqui.
(私はあなたに)ここでタバコを吸わないでほしい。
話す人と動作する人が異なる
願望や個人的な感情を表す文で、話す人と動作する人が異なる場合に接続法を使います。
Quiero que vengas.
私はあなたに来てほしい。
Siento que estes triste.
あなたが悲しんでるのを気の毒に思います。
願望や感情が入っていない場合は接続法にはならないので要注意。これは何度も間違えたけど、感覚と経験で覚えていきました。
He visto que tu estabas hablando con Ana.
あなたがアナと話してるところを見たよ。
この文は自分の感情ではなく「見た」という事実を伝えているだけなので、接続法にはなりません。
可能性が低い系
可能性が低いもの、それが存在するかどうか不明なものは接続法を使います。
No es cierto que ella venga.
彼女が来るかどうか確かではない。
「No es cierto〜(確かでない)」の他には、「No es verdad〜(真実ではない)」や「No esta seguro(確実でない)」などがよく使われます。
Busco una chica que hable japonés.
日本語を話す女の子を探します。
「日本語を話す女の子」がいるかどうかわかっていないので、接続法になります。いる可能性が低いというより、いるかどうかがその時点では不明ということです。
「もし〜だったら」系
英語の仮定法と同じ用法で、「もし〜だったら」を表す場合は接続法になります。
接続法過去
Si yo fuera tu, no diría a ella.
もし私があなただったら、彼女には言わないでしょう。
接続法過去完了
Si yo hubiera ido a Japón, habría estudiado japonés.
もし日本に行っていたら、日本語を勉強しただろう。
英語の「If」にあたる「Si」の後が接続法。ややこしいのは、カンマの後の文章は「condicional(条件法)」になるということ。
ここが英語と違い、スペイン語の接続法で混乱する部分です。だいいち「conditional」ってなんなのとプンスカした記憶。
未来に「〜したら」
英語の仮定法未来と同様に、未来のことに対して「〜したら」と表現する時は、接続法が使われます。
Cuando lleguemos a Tokyo, vamos a comer ramen.
東京に着いたら、ラーメン食べよう。
未来の話で「〜したら…する」は全て接続法!
「para que」と来たら後ろは接続法
「para que」は〜するためにという文章。「para」が〜のためにという意味を持ちますが、前述の話す人と動作する人が異なる場合に que 節を用いて表現します。
目的の「para que」とか含意の「para que」と言われたりするそうですが、日本語での呼び方はともかく、「para que」が来たら後ろは接続法と覚えておけばいいです。
よく使われるのは「あなたが〜できるようにxxしておくよ」みたいな文。
Pongo la llave para que cierras la puerta.
あなたがドアを閉めるために鍵置いておくね。
スペイン語の接続法はよく使われる
英語の方が仮定法を使わずともお願いできる表現があったり、感情や願望を表すことができるので、仮定法を使う状況が狭い気がします。
スペイン語は英語とは違い、前置詞を使った言い換え方法がないので、接続法が使われる場面は多いです。
以前スペイン人の友達に「日常で話す会話はほとんど接続法だと思っておきなさい」と言われたのを思い出しました。
これは大袈裟ですが、確かにスペイン語の現実の会話は接続法だらけだと思います。
最後まで読んでくれてありがとう。
Hasta luegui!!!
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