コロナウイルスの影響で外出禁止になってから、フラメンコのクラスもオンライン化が進みました。初めは
なんて思ってましたが、いざオンラインクラスを受けてみると良い面もあるなと感じました。もちろんダイレクトなクラスの方が私は好きですけどね。
今回は4月〜7月までフラメンコのオンラインクラスやオンラインライブで私が感じたこと、フラメンコのオンラインクラスやオンラインライブ配信の好きな点と、そうじゃない点について書きたいと思います。
オンラインクラスの良い点
オンラインクラスの良いなと思った点は以下です。
フラメンコの多くの側面が学べる
私は主にバイレを中心としたフラメンコのクラスに通っていますが、スタジオでのクラスの場合はずーっと踊りっぱなしということが多いです。
もちろん先生は解説したり振り付けしたりするから体を休める瞬間はあるけど、だいたいは動いてます。
逆にオンラインクラスだと、1時間ずっと動きっぱなしということはない。クラスの半分は踊るけど、残りの半分は座学のような形式になります。
座学が入ることによって、スタジオのクラスではなかなか聞けないお話が聞けたりする。フラメンコの歴史やレトラに関すること、アーティストの経験談など。
講師となるアーティスト側も、オンラインクラスではそういった講義に時間が割けるから良いと思っているようです。
スタジオのクラスでは、特にバイレの先生は生徒に悪い気がしてどんどん踊るように意識しちゃうのだと言ってました。オンラインクラスではそういった講師側の躊躇がなく、大切なことを伝えられるからいいのだそうです!
スタジオのクラスではさらりと流されていた話をじっくりと聞くことができるのは、オンラインクラスの良い点だなと思います。
離れた場所でも学べる
オンラインのメリットはもちろん、どこでも学べるということ。
スペイン人のアーティストからフラメンコを学ぼうと思ったらこれまではスペインに来る必要がありましたが、オンラインクラスなら日本からでもアメリカでも、フランスでも、シンガポールでも、世界中で学べます。
スペインに行って学びたいけど時間がない、お金がない、などの事情があった人も、オンラインクラスでは時間とお金を気にせず(お金は多少気になるが)気軽に学べるようになったはず。
忙しくてスタジオであまりクラスをやらないアーティストも、オンラインクラスなら場所を選ばずにやってくれる可能性があります。
考慮しなければいけないのは時差です。
スペイン時間午前中のクラスなら日本は午後なのでちょうど良いですが、スペイン夕方のクラスだと日本は深夜なのでかなり遅くまで起きてないとオンラインクラスが受けられない。
ただでさえ眠い時間にオンラインの画面越しの講義となると、持ちこたえられない人も多いかと思います。
スペイン側も日本人の参加を考慮して午前中にオンラインクラスを組んでくれたりしますが、ライブはどうしても夜になるので日本からリアルタイムに観るのはちょっとキツいですね。
オンラインクラスのデメリット
私が思うオンラインクラスのデメリットは以下の2つです。
インターネット環境のストレス
フラメンコに限らずオンラインクラスの最大のデメリットは、インターネット環境によるストレスです。
参加者が光回線で接続していたとしても、インターネットの世界ではやはり遅延が起こります。接続不良も起きる。
一度ZOOMの障害で生徒たちがログインできず、その日のオンラインクラス自体がなくなったことがあります。
講師のインターネット環境が悪ければ画像はコマ送り漫画のようになり、バイレのクラスではパソを取ることが不可能になることも…汗。
家庭でもギガ回線が普通に使われるようになっているけど、そもそもインターネットとはベストエフォートなサービスなので、遅延や接続不良が起きるのは避けられない。
画面越しで見た時に音声や画面が遅延したり、プツプツ切れるという環境はかなりのストレスです。受けている最中は気づかないかもしれないけど、それがずっと続くとオンライン疲れみたいになる。
歌のクラスでは一人ずつ歌うタイミングがあります。カンタオールはギターも弾ける人が割といるので講師がギターを弾いてくれるんですが、それに合わせて歌うというのは至難の技です。
双方に遅延がある状態だから、自分の中のコンパスを信じて歌う必要あり。相手のギター音は遅延して聴こえるので、それを聴いてると変なことになります。
こういった些細なストレスの積み重ねで、3ヶ月も受けていると「オンラインクラス疲れたな〜」となるわけです。
エネルギーが伝わりにくい
もう一つのオンラインクラスのデメリットは、現地で受けるクラスと比べて受け取れるものが少ないかなと思うことです。
アーティストが踊る時、歌う時に発信されるエネルギーのようなもの。それがオンラインクラスではかなり削がれて伝わります。
もちろん講師はプロなのでオンラインで観ていても聴いていも「オレー」と思う瞬間はあるのですが、現地で生で観るのに比べると物足りない感はどうしても出ちゃいます。
6月からはオンラインクラスと並行してスタジオでのクラスにも行き始めましたが、外出禁止明けに初めてスタジオのクラスに行った時は感動しました。
講義形式のクラスは良いと思いますが、踊りを観たり歌を聴いて「感じる」という意味では、現地に勝るものはありません。
オンラインライブ配信について
オンラインクラスよりも厳しいなと思ったのは、オンラインのライブ配信です。
遅延や画質の悪さのせいで臨場感がダダ下がりな環境のライブを観るのは、結構悲しいものがあります。
インタラクティブなやりとりがあるなら、オンラインのリアルタイム配信はおもしろいです。チャットでリクエストに対応するとか、オーディエンスの意見を反映したりすぐもの。
クラスのようなインタラクティブなやりとりがないなら、リアルタイムな配信である必要はないのでは?と思いました。
きちんとしたカメラで録画し、それを後からオンライン上で配信した方が画質も音もきれいです。
この方法でオンライン配信している公演(以前に撮影した公演を配信したもの)を観たのですが、画質・音質のクオリティが低いリアルタイム配信に比べて私は満足感がありました。
インタラクティブなやりとりがないなら、リアルタイムで観ることはそこまで重要じゃない気がします。あくまでも私の意見です。
現地にいなくてもライブが観られるというメリットは大いにあります。スペインにいなくてもスペインのライブが観られる、日本にいなくても友達のライブが観られる。
離れた所に住む家族が自分のライブを観られるし、無料配信のライブならフラメンコに興味がない人でも気軽にフラメンコを楽しむ第一歩を踏み出せると思います。
でも私はやっぱり現地派
3ヶ月の間オンラインクラスやオンラインライブを観てきて、オンラインの良さはあるなと思いました。
でもオンラインクラスばかりを続けていると、動いていないはずなのに脳が疲れるんだよね。
やっぱり私は現地で習いたいし、現地で観たい。
学校の先生が「今、アーティストたちはオンラインクラスの方が楽だし稼げるから、なかなかスタジオのクラスやってくれないのよ〜」なんて嘆いてましたが、もう少し状況が落ち着いたらスタジオのクラスを再開してほしいなと思います。
生徒にとっては現地で観たり聴いたりするのに勝るものはないから。切実。
アーティストさんたち、よろしくオナイシャス。
最後まで読んでくれてありがとう。
Hasta luegui!!!
コメント
コメント一覧 (2件)
連投失礼致します。
オンライン講座で良い部分もあるのでしょうが、やはり「生」のレッスンとは
一線を画してしまいますよね。
日本でも軒並みライブが中止やリスケ・ライブ配信になったりと悲しいです。
新宿ガルロチも閉店に。
本当に悲しいことです。
スペインの方のクルシージョを日本で受けられるようになるのは、まだまだ先になりそう。
早くコロナが終息しますように。moni様もお身体ご自愛くださいませ。
> かおりんさん
オンラインクラスならではの座学の良さもあるけど、生で感じるエネルギーには敵わないですねやはり。
ただ、スタジオでクラスをやっても講師も生徒もビクビクしながらやるくらいなら、オンラインでのびのびと教わりたいという気もします…(^^;
日本も配信ライブに切り替えたり、お店が閉店してしまったりと、いろいろな動きがありましたね。
ガルロチの閉店はこちらのスペイン人もとても残念に思っているようです。
早くこの事態が終わって、ライブにお客さんが集まったり、スペイン人のクルシージョが日本で受けられる日がくるといいですね。
かおりんさんも健康に気をつけてお過ごしください(^^)
ありがとうございます!