サンルーカル・デ・バラメダと言えば、シェリー酒の特にマンサニージャの産地として有名。サンルーカルの街にはボデガと言われる酒蔵がたくさんあります。
ヘレスではティオ・ぺぺのシェリー酒のボデガ見学に行ったので、サンルーカルでもぜひボデガ見学をしたい!と思って行って参りました。
女性が描かれている「La Gitana/ラ・ヒターナ」のブランドでおなじみの、イダルゴのボデガ見学です。
シェリー酒5杯とワイン1杯がついて12ユーロと、とにかくコスパの良いツアーでした♫
サンルーカルを訪れるならぜひシェリー酒の酒蔵見学に行ってみてください。それでは、イダルゴのボデガ見学スタート!
ヒターナの絵で有名なイダルゴのボデガ
サンルーカル・デ・バラメダにはシェリー酒のボデガ(酒蔵)がたくさんあります。さすがマンサニージャの産地。
今回行ったのは、「イダルゴ」というメーカーのボデガ。
イダルゴという名前を聞いたことがなくても、女性が描かれたボトルは見たことがある人が多いのでは?
イダルゴのマンサニージャは「La Gitana」と呼ばれ、セビリアの春祭りのレブヒートと呼ばれる飲み物で使われる定番です。
セビリアの春祭りで飲むレブヒートについてはこちらの記事をどーぞ。
ボデガ見学の前にするべきこと!それは朝食
サンルーカルでイダルゴのボデガを見学する前にやっておくべきことがあります。
それは朝食をしっかり食べること!
なぜかと言うと、イダルゴのボデガでは短時間でたくさんのシェリー酒を飲むことになるからです。
シェリー酒はただでさえアルコール度が強めのお酒。お腹が空いた状態でシェリー酒だけを飲んだらどうなるか、想像にたやすいです。
幸いなことに、イダルゴのボデガの目の前にリーズナブルでボリューミーな朝食が食べられるバルがありました。
半分のトスターダ、生ハムとトマトのトッピング、コーヒーでまさかの2.7ユーロと格安!これはお得だよ〜。
セルフサービス形式なので、カウンターでオーダーして出てくるのを待ちましょ。
朝食を食べていたら常連と思われるおじさんにかなりしつこく絡まれたけど、それもよき思い出。毎日バルの同じ席に座ってるんだろうな。
◆Bar la Jaula
住所:Av. Calzada Duquesa Isabel, 3, Sanlúcar de Barrameda,
営業時間:8:00-0:00
定休日:不定休
イダルゴのボデガ見学ツアーは、月曜から土曜までの1日2回。11時30分〜が英語で、スペイン語は13時〜です。
セビリア10時出発のバスに乗ると11時30分前に到着するので、スペイン語のツアーならバルで朝食を食べて少し街中を見ていればいい時間になります。英語ツアーの場合は8時のバスに乗る必要あり。
サンルーカルへの行き方はこちらの記事を参考にしてみてね。
ボデガ見学ツアーの待ち合わせ
しっかりと朝食を食べて調子を整えたら、いざボデガの見学ツアーへ。
イダルゴのボデガは、サンルーカルの中心地にあって、バスターミナルからは徒歩5分くらい。ボデガの前に馬車が停まっているので、わかりやすいです。
見学ツアーの待ち合わせはショップ前。事前にネットで見学予約をしていたので、ショップで名前を伝えてツアー代12ユーロを支払います。
見学ツアーに参加したのが土曜日だったからか、10人以上の人がいました。
私たち以外はスペイン国内からのお客さんたち。アンダルシアが多かったです。「どこから来たの?」とツアーガイドさんが各お客さんに聞いていました。
私たちは威勢良く「ハポーン!」と答えたYO!!
6杯の試飲と嬉しいお土産つきのツアー
ツアーが始まる前に、イダルゴの象徴であるヒターナが描かれたシェリー酒のグラスが配られました。このグラスに試飲用のシェリーが注がれます。
そして、嬉しいことにこのグラスはツアー後にお土産として持ち帰って良いのだと説明されました。
ヒターナの絵が描かれた素敵なグラスを持ち帰っていいだと?う、う、嬉しすぎる〜!
シェリー酒グラスに最初に注がれたのは、シェリー酒ではなく同じぶどうで作られた白ワイン。
どことなくシェリー酒感があったのは気のせい?一般的な白ワインよりも辛口な感じでした。
サンルーカルの環境を活かして作られるマンサニージャ
1杯目のワインの試飲が終わると、ボデガ見学ツアーが始まります。
まず初めに入ったのは、「カテドラル」と呼ばれるボデガ。ここではサンルーカルを代表するシェリー酒、マンサニージャ「ラ・ヒターナ」が作られています。
さて、早々に1杯目の試飲シェリー酒が注がれます。1杯目はもちろんマンサニージャ。
樽からマンサニージャを注ぎながら、流暢に説明していくおねーさんさすがです。
マンサニージャとフィノの違い
マンサニージャはパロミノという種のぶどうが使われた辛口のシェリー酒。
同じ辛口シェリー酒でヘレスのフィノがありますが、サンルーカルのマンサニージャはフィノとは味が異なります。
ヘレスのフィノはもっとも辛口のシェリー酒。マンサニージャはもう少しまろやかな辛口で、個人的感想ではフィノより白ワイン寄りの味な気がする。
マンサニージャとフィノに味の違いができる訳は、サンルーカルの環境と気候にあり。
サンルーカルは海沿いの街なので、風が通りやすく湿ってる。それが爽やかな辛口シェリー酒マンサニージャを作り出すのだそうです。
風や湿気によって、お酒の味にそんなに違いが出るとは興味深いですね。
ボデガの立地も重要
イダルゴのボデガがある場所は16〜17世紀頃はまだ海。陸地となった今でも、大西洋にもっとも近いボデガだそうです。
ボデガに涼しい西風が入る必要があるため、ボデガの向きは重要。周囲に大きい建物がないことも大事。
「幸い高い建物が周りにない」という言い方をおねーさんはしてましたが、きっとイダルゴはサンルーカルの優良企業なので、周囲に建物を建てないように考慮してもらってるのかなと。
樽を地面に直接置かず隙間をあけて下に砂を敷いているのも、温度調節・湿度調節に必要なのだそうです。
ちなみに樽は中古のものもあるそうですが、使えない樽は日本に送って、ウィスキー用の樽に使われてると言ってました。
「日本のウィスキーは素晴らしいもんね!」とおねーさんに謎に褒められる。笑。
シェリー酒の製造工程
シェリー酒の製造工程は、ヘレスのティオぺぺのボデガ見学で聞いた説明と同じで、「ソレラ」という方式。
「ソレラ」とは一番上の樽から二番目の樽、二番目の樽から一番下の樽に継ぎ足していくような方式のことで、常に一番下の樽からシェリー酒を出荷するようになっています。
普通のマンサニージャは、3年間の継ぎ足し年月を経て出来上がるそうです。
シェリー酒の発酵はあくまでも樽の中だけなので、樽から出した時がシェリー酒の飲み頃。
だから、ワインのようにボトルを寝かせるのは、シェリー酒では意味がありません。
ということを、ヘレスのボデガの見学で学びました。シェリー酒に興味がある人はボデガ見学おすすめ↓
熟成マンサニージャ
一般的なイダルゴのマンサニージャは3年で出荷されますが、さらに熟成させたマンサニージャもあります。
9年〜10年熟成されたマンサニージャが2杯目の試飲。
1杯目に飲んだマンサニージャよりも濃いです。アルコール度数は同じ15度なんだけど、なんだか強いように感じてしまう。
樽の中では長年熟成された「マドレ」と呼ばれるシェリー酒と若いシェリー酒が両方存在。良いシェリー酒を作るのに、それぞれのバクテリアが補完しあっているのだそうです。
「マドレ」とはスペイン語で母親のこと。母と子のように、お互いに助け合ってシェリー酒が作られるなんて素敵!
マンサニージャ以外のシェリー酒も立て続けに飲む
2杯のマンサニージャを楽しんだら、ボデガを移動。
通過したのは60度〜75度の湿度に保たれているクレーム、アモンティリャード、ペドロヒメネスのボデガ。マンサニージャが15度なのに対し、これらのシェリー酒は17度と少しアルコール度数が高め。
樽の中で発酵が進んだ際にできる「flor(フロール)」をなくし、アルコール度数を調整してオロロソやアモンティリャードにしていくそうです。
と、ここでいきなり3種類のシェリー酒が用意されました。
そうか、あと3杯の試飲が残ってるのね…!サクサクとシェリー酒を試飲していかないと、飲み終わりません。
アモンティリャード
アモンティリャードは「ナポレオン」というブランド名。説明しているおねーさんイチオシのシェリー酒だそうです。
アモンティリャードは日本で人気らしい。なぜかというと、魚とよく合うからだそうで。
確かに飲んでみると醤油みたいな味。寿司とアモンティリャードとか意外と合イケるのか?
アモンティリャードは調理用としても使い道が多いそうです。
おねーさん曰く、コキーナ(coquina=ニッコウガイ)のワイン蒸しならぬアモンティリャード蒸しが最高!だとのこと。「私の人生を変えたシェリー酒」とまで豪語してました。
クレーム
クレームのブランド名は「アラメダ」で、7割オロロソ、3割がペドロヒメネスと言われるバランスの取れたシェリー酒。
アモンティリャードより格段に甘く、でも甘すぎてもったりということはないので、甘口のお酒が好きな人には一番飲みやすい味です。
カクテルにしたり、ベルムゥにするのにも向いているそう。
ペドロヒメネス
ペドロヒメネスは「トリアナ」というブランド名。かなり甘いシェリー酒で、ドロっとしています。
ペドロヒメネスは、干しぶどうのように乾燥させたぶどうから作られます。
使われるぶどうは、ドイツでアイスワインに使われているぶどうと同じもの。ドイツからコルドバに持ち込み、現在はコルドバでぶどうを収穫しているそうです。
ぶどうを持ち込んだ時のドイツ人の名前がピーター・シマだったことから、それをスペイン語読みしてペドロ・ヒメネスとなったのが名前の由来なんだと。
なお、ペドロヒメネスと並んで甘いシェリー酒として人気のモスカテルは、干しぶどうではなく甘いぶどうから作っているそうです。
だから同じ甘いシェリー酒でも色も舌触りも違うのだね。
イダルゴのボデガの成り立ちとヒターナの絵の由来
3種類のシェリー酒をサクサク飲み進めながら、おねーさんはイダルゴのボデガの成り立ちとヒターナの絵の由来について説明をしてくれました。
イダルゴはサンタンデール出身の男性さんが1792年に創立したボデガ。男性の名字はイダルゴ。
イダルゴさんはサンルーカルを訪れた際にある女性と恋仲になり、とうとうサンタンデールに戻らなかったそうです。
2代目となったのは、イダルゴをボデガとして発展させたそうなエドゥアルド・イダルゴさん。
マラガのヒターナがボデガにマンサニージャを買いに来て、「これをマラガで売りたい」とマラガに持ち帰ったのを機にヒターナの絵が描かれるようになったのだとか。
そして、イダルゴというメーカー名よりも、「ラ・ヒターナ」というブランド名の方が浸透するようになりました。
とにかくコスパの良いボデガ見学ツアー
イダルゴのボデガ見学ツアーは、とにかくコスパが良いツアーでした。
全部で1時間15分。その間に5杯のシェリー酒と1杯の白ワインの試飲があるので、75分で6杯のアルコールを飲むというかなりのハイペース。
3種類のシェリー酒試飲時にはポテチが出てくるのでつまみながら飲んで、酔っ払ってしまわないように注意してください。朝食をしっかり食べるのは必須!
ツアーのお客さんで試飲のお代わりをしている人がいて、とっても驚いたのでした…。お酒強すぎ。
帰りはショップでお土産を買うこともできます。
スーパーには普通は置いていない熟成もののマンサニージャも買える。残念ながら海外発送はしていないとのこと。
サンルーカルを訪れたら、ぜひシェリー酒のボデガ見学ツアーに行ってみてください。ほろ酔いどころか酔っ払いますが、楽しかったYO〜♫
最新のツアーは公式サイトでご確認ください。
最後まで読んでくれてありがとう。
Hasta luegui!!!
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