スペインの「タパス」「ピンチョス」の違いとバルでの楽しみ方

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スペインのバルの食べ物と言えば、タパスやピンチョス。

スペインのお酒と一緒にタパスやピンチョスをつつくと「スペインにいるな〜」という感じがしますし、色々なスペイン料理を知ることができて楽しいです。

moni

そんな私ですが、スペインに来るまでタパスとピンチョスの違いを知りませんでした。

というわけで、タパスとピンチョスの違いや起源、スペインのバルでタパスやピンチョスを楽しむ方法をご紹介します!

目次

タパスとピンチョスは違う?

私がぶっちゃけスペインに来るまで疑問だったこと。それは

moni

タパスとピンチョスの違いってナニ?

ということ。正直タパスとピンチョスってほとんど同じものだと思ってました。汗。

どちらもスペインのバルで楽しめる食べ物ですが、実はタパスとピンチョスは似て非なるものです。

タパスとピンチョスの違いや、タパスやピンチョスが生まれた起源や歴史について調べてみました。

タパスは小皿料理

タパスとは小皿料理のことです。日本で言うと居酒屋のおつまみサイズの料理のこと。

スペインのレストランやバルで出てくる一皿はとても大きいです。一人分というよりはみんなでシェアする用のサイズ。

一皿の半分の1/2皿(1/2racion)でも結構大きくて、一人で食べるとこの1/2皿でお腹いっぱいになってしまうでしょう。

セビリアのバルサンタマルタのトルティージャ
人気のスペインオムレツのタパス

タパスはお皿料理よりもさらに小さく、一人で食べたり、みんなでちょこちょこつまんだりできるサイズなのです。

タパスには主に分けて、乾き物と冷たいもの、温かいものの3種類があります。

トリアナのバル「La Antigua Abacería」のマンチェゴチーズ
マンチェゴチーズのタパス

乾き物は生ハムやチーズなど切ってすぐに出せるおつまみ系。

スペインのカディスにあるフライ専門バル「Freiduria Marisqueria las Flores」のタパス
ハラコやタコのマリネ

冷たいタパスはエンサラディージャ・ルサやマリネなど前菜になりそうなもの。

セビリア最古のバル「リンコンシージョ」のクロケッタ
手作りクロケッタ

温かいタパスはクロケッタやスペインオムレツ、アルボンディガス(スペイン式肉団子)などの食事系です。

スペインでバルに行ったら、タパスをいくつか頼んで友達とシェアすれば立派な食事になります。

皿料理だと食べきれない料理が出てきてしまうので、胃が小さめの日本人はバルでタパスを頼むのがおすすめ。

お一人様でスペインのバルに行く時は、タパスを2〜3皿頼むとよろし。一人で皿料理は無理〜と思っても、タパスなら万事解決です。

タパスの語源は tapa=蓋 からきてる

「タパス」という言葉の語源は、スペイン語の“tapa=蓋” “tapar=蓋をする” からきていると言われています。それが発展して「タパス」になった起源にはいくつか説があるようです。

かつてスペインでは毎日1〜2杯のワインを飲むのが健康に良いと言われており、酔わないためにワインと一緒に何かを食べることを推奨していた。
ワインを飲んでいる最中に小さい虫やホコリがグラスに入ってしまうことを避けるため、一緒に食べていた生ハムや腸詰、たまにチーズなどで蓋をしていたことから、「tapa=蓋」が複数形になってタパスとなった。

アルフォンソ13世がカディスとサンフェルナンドの間の旅籠を訪れた時、ワインを頼んだ。そのとき強い風が旅籠に入ってきた。
海の砂や小さい虫がワインのグラスに入ることを防ぐため、ウェイターが気を利かせて生ハムでグラスに蓋をした。アルフォンソ13世はそれを気に入り、「別のタパちょうだい」と言った。

いずれにせよワインのグラスに生ハムやソーセージで蓋をしたことから、「タパ」そして「タパス」となっていったのでしょうね。

タパスはバルをはしごして食べるのもおすすめ

スペイン語には “tapear(タペアール)” という言葉があります。

“tapear” は「タパスを食べる」という意味ですが、転じて「バルをはしごしながらタパスを楽しむ」という意味もあります。

スペインに行ったら、いくつかのバルをはしごしてバルの名物タパスを食べ歩くのがおすすめ。

セビリア最古のバル「リンコンシージョ」のほうれん草とひよこ豆の煮込み
バルのウリのタパスがある!

バルごとに名物タパスや人気タパスがあるので、そのバルでみんなが食べているタパスを頼んでみましょ。店員さんにおすすめを聞いてもOK!

1つのバルでタパス1皿とワインやビール1杯。また移動してタパス1皿と1杯。とやっていれば、3〜4軒バルを巡った頃にはお腹いっぱい。スペインのバルの楽しい過ごし方です。

moni

お腹が空いている時や気分がいい時は2軒はしごします♫

ピンチョスは一口料理

対してピンチョスはタパスよりもさらに小さく、一口で食べられる料理のこと。

バゲットにおつまみが乗っていて、つまようじが刺さっている光景を見たことがないでしょうか?あれです。

バルセロナのIRATIのピンチョス
カウンターのピンチョスを自分で選ぶ

ピンチョスはタパスよりも歴史は浅く、スペイン北部のバスク地方で始まったと言われています。美食の街サン・セバスチャンがピンチョスで有名。

オリーブやアンチョビなどすぐに食べられる前菜を長いつまようじのような串に刺して、ディスプレイの意味も含めて提供したのが始まり。すぐに他のバルが真似をしてピンチョスが広まったそうな。

かつては瓶で売られていた食材を串で刺す簡単なスタイルだったピンチョスですが、現在ではバルオリジナルのおしゃれなピンチョスがたくさん登場しています。

もはやピンチョスはバルの腕の見せ所とも言えるメニューで、色々な食材を組み合わせておいしく、見た目も美しく仕上げるのがスペイン北部のピンチョスです。

スペイン北部のバルでピンチョス巡り

バルセロナやサンセバスチャンなどスペインの北部のバルでは、たくさんのピンチョスに出会えるはずです。

逆にアンダルシアでは、ピンチョスを提供しているバルはあまり見かけません。あるとしたら北部のバルのチェーン店。

だからピンチョスと言えばスペイン北部!なのだと思う。

サンセバスチャンやビルバオ、バルセロナなどスペインの北部に行ったら、ピンチョスをつまみながらバルをはしごしてみてください。ピンチョスはタパスよりも小さいので、いくつも食べられてしまうはずです。

ただし、バゲットに乗っているタイプのピンチョスは、バゲットが意外と胃のスペースを圧迫するので、うまく調整して食べてね。

スペインのバルでタパスやピンチョスを食べ歩こう

スペインのバルは日本の居酒屋と異なり、お通し的なものはありません。席に座らず立ち食いをすることも多いので、スペインのバルだと食べ歩きがしやすいです。

タパスやピンチョスなら気軽にスペイングルメを堪能できます。レストランに比べて安いし、お一人様でも気軽に食事ができるのがスペインバルの魅力。

スペインのバルでタパスやピンチョスの食べ歩きをしてみてください!

moni

タパスやピンチョスには、スペインワインやご当地のお酒を合わせてみてね。

最後まで読んでくれてありがとう。
Hasta luegui!!!

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この記事を書いた人

スペイン語とスペイン文化+αを学ぶため会社を退職して2015年〜2021年までスペインのセビージャ暮らし▷2024年東京大学文学部に学士入学して現在は美学芸術学専修の3年生。好きな言葉は「我々は無理をしない」のふなっしー推しなっし。多言語学習中。X(twitter)は悩める大学生活や勉強に関するポスト多め。

コメント

コメント一覧 (2件)

  • 札幌在住の奥田と申します。
    毎回楽しく読ませて頂いています。
    タパスとピンチョスの違い以前に2種類があることすら知りませんでした。
    為になります。
    写真はご自身で撮影されるのでしょうか?
    素敵ですね。
    今後はワインの種類がわからない私が気軽(騙されて高額ワインを飲ませられないよう)にバルでワインの注文の仕方や銘柄を教えてください。
    これからも楽しく、為になる記事を宜しくお願い致します。

    • > 奥田様

      ブログ読んでいただきありがとうございます!

      写真は自分でiPhoneで撮影しています。
      プロではないので細かいことまでは注意できていないと思いますが、雰囲気が伝われば良いなと思って撮っています。

      スペインワインは美味しくて安いので、バルでよく頼みます。確かにワインの注文は、銘柄を指定したいとなると少しハードルが高いですね。
      ワインを含むスペインのお酒についてブログで触れようと思っていましたので、今度記事にしたいと思います。
      いつもありがとうございます(^^)

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