最近家にこもりつつ、毎日ショパンコンクールをYouTubeの配信で見ています。
ショパンコンクールにスペインから唯一出場しているMartín García García(マルティン・ガルシア・ガルシア)というコンテスタントがいます。
「なんでガルシアが2回続くんだ?」と疑問に思った方がいたみたいなので、この記事を書いてみることにしました。そしてガルシアはスペインで一番多い名字だった!
スペインの名字にまつわるお話。
スペインで多い名字
日本で多い名字と言うと、佐藤さん、鈴木さん、田中さんあたりが思い浮かびます。
一方でスペインで多い名字なに?というと、あまり意識したことがなかった。
スペイン人(有名な人や知り合い)の中で、Heredia(エレディア)Montoya(モントージャ)Vargas(バルガス)あたりが思い浮かんだのだけど、これはヒターノの名字です。
スペインで一番多い名字はGarcía
スペイン国内全体で多い名字は何なのか調べてみました。そしたら、圧倒的に
García(ガルシア)
が多かった!
第一名字(primer apellido)で150万人近く、第二名字(segundo apellido)で150万人近くと、第一名字、第二名字どちらもGarcíaがトップでした。
地域で多い名字に少し差があるものの、全体としてはGarcíaが圧倒的。セビリアで一番多い名字もGarcíaでした。でも知り合いにGarcíaさん一人もいないかも…。
参考記事:
Apellidos más comunes en España 2021(enterat.com)
García sigue siendo el apellido más común en España(statista)
スペインで多い名字2位〜10位
García(ガルシア)に次ぐスペインで多い名字は以下の通りです。いずれも、第一名字と第二名字の数は同じくらいです。
- García(ガルシア) 約150万人
- Rodríguez(ロドリゲス) 約93万人
- González(ゴンサレス) 約92.7万人
- Fernández(フェルナンデス) 約91万人
- López(ロペス) 約87万人
- Martínez(マルティネス) 約83万人
- Sánchez(サンチェス) 約82万人
- Pérez(ペレス) 約78万人
- Gómez(ゴメス) 約50万人
- Martín(マルティン) 約48万人
言われてみれば、いずれも聞いたことある名字でした。
Garcíaが第一名字、第二名字でそれぞれ150万人近くなのに対し、2位以下は100万人を切っているのでGarcíaが本当に多いんですね。
日本で多い一番多い名字の佐藤さんは185万人くらい、鈴木さんが178万人くらいだそうです。日本の人口は1.2億、スペインの人口が4,700万人なので、Garcíaさん150万人の比率がいかに多いかということがわかります。
日本は名字の種類が多いから、分散されてるということよね。
参考記事:
Apellidos más comunes en España 2021(enterat.com)
García sigue siendo el apellido más común en España(statista)
父の姓-母の姓が2つくっついて自分の名字になる
スペイン人の本当の名前(アーティスト名や通称じゃなくて)を聞くと、名前-第一名字-第二名字となっていることに気づきます。
最初の頃、なんで名字が2つあるの?って思ってました。それこそ冒頭のピアニストのように「García García」と同じ名字が続いているのが不思議でした。
当時のピソの同居人が同じ名字が2つ連続で続くPérez Pérezで、「なんでPérezが2つあるの?」って聞いたんです。それで教えてもらいました。
スペインでは「名前-父親の名字-母親の名字」が自分の姓名になるのだと。
だから、父親と母親のどちらも第一名字がPérezだったらPérez Pérezって続くのよって。
日本で鈴木さんと鈴木さんが結婚して子供の名前が太郎だったら、「鈴木 鈴木 太郎」になるというイメージです。
スペインの名前の謎
日本と同じく地名が名字になっているスペイン人もいます。友達ではJaén(ハエン:アンダルシアの県)という子がいました。
また、職業が名字なっている人もいて、Panadero(パナデロ:パン屋)がいました。むかしパン屋さんだったお家なのかな。
名前に関しては今は好きな名前をつけることができるようだけど、キラキラネーム的な名前は聞いたことがないです。MaríaやJuanなど昔から伝わる名前が多い印象。
名前と言えば、José(ホセ)の愛称はPepe(ぺぺ)、Francisco(フランシスコ)の愛称はPaco(パコ)というのもあります。これもスペインに来た頃とても混乱した名前の話。この話はまたいつか気が向いたら書きます。
終わりに
冒頭で触れたスペイン人ピアニストのマルティン・ガルシア・ガルシアくんファイナルに進んでいて、今日の夜中(日本時間で20日の2:50頃)にコンツェルトを演奏します!(YouTubeのライブ配信で観られます)
マルティン・ガルシア・ガルシアくんは、スペイン北部の海沿いの町ヒホンの出身。
ヒホンには「カチョポ」と呼ばれる超ヘビー級ハイカロリーな名物グルメがあります。そしてアストゥリアスと言えばシードル(スペイン語だとシドラ)というお酒も有名。
ガルシアガルシアくんはカチョポを食べて強く育ったのかなと、ヒホンに行ったことを懐かしく思い出しました。海沿いの景観が美しい町だった!
最後まで読んでくれてありがとう。
Hasta luegui!!!
コメント
コメント一覧 (2件)
名字関連で少し前に聞いてびっくりしたのが語尾の”-ez”です。上述のベストテンにも8件ありますが、〇〇家って意味だそうです。たしかにRodrigoさん、Gonzaloさん、Fernandoさんというのはよく耳にしますよね。Lopeさんは直接のお知り合いには居ませんがLope de Vegaは有名な劇作家ですものね。それではPerezさん、Gomezさんは誰なのか?? Pedroさんなのでしょうか?けれどもGomezさんは…”(-“”-)” 当たり前に聞いていた名字だけれど、まだまだ知らないことがいっぱいです。
>ふぇりささん
お返事遅くなってごめんなさい!
気になったので調べてみたら「ez」は「el hijo de〜」という意味だそうで、Rodriguezさんはel hijo de Rodrigo、PerezさんはPero、Pere、Petrus=Pedroの息子、GomezさんはGomoまたはGomeさんの息子となるようです。Gomo/Gomeさんて聞いたことないお名前ですが…。
英語だとsonやsenが同様の意味となるそうです。なぜスペイン語だと「ez」となるのか、なんだか謎が多いですね(^^;