月曜の無料見学時間を使ってセビリアのアルカサルに行ってきました。
セビリアのアルカサルに興味を持った理由。それは、「残虐王と呼ばれた王のこだわりを見てみたい」と思ったからです。
アラブ文化に陶酔した残虐王がこだわって作った宮殿は、精巧に作られたとても美しい宮殿でした。
アルカサルの歴史や残虐王のこだわりの宮殿を、写真付きでご紹介します。
セビリアのアルカサルの歴史
セビリアのアルカサルの歴史は713年のアラブ占領時代に始まります。はじめは囲いの中に王室や住居がある状態でスタート。
セビリアのアルカサルが拡張したのは、アルハンブラ宮殿と同時期の1200年代のナスル朝時代。この頃のアルカサルは、イスラム教の様式で建築されました。
1248年のキリスト教徒奪還の動きであるレコンキスタの後は、王が変わるたびにルネッサンス様式やゴシック様式などその時代の建築様式で改築がされてきた歴史があります。
代々の王たちによってその時代の建築様式に生まれ変わっていったアルカサル。一番変貌を遂げたのは、その後1300年代に生きたペドロ1世の時代です。
ペドロ1世は「残虐王」と呼ばれていた(こわっ…)14世紀当時のカスティーリャ王国の国王。
「アルカサル 王城」の主人公はこの残虐王です。まさか漫画になっているとは…。
なんでもこのペドロ1世は彼に従わない・法律に従わない人たちを殺していたそうで、特に貴族階級との仲は悪かったと。
しかし、ペドロ1世は「正義王」という別名も持っています。これは後世になってからつけられた名前。
ペドロ1世は、有力な貴族階級だけでなく下級貴族やユダヤ人も採用して、公正な政治を行っていたからです。ペドロ1世の時代は治安が良かったそうで、一般の人々からは慕われていたそう。
ペドロ1世のこのような話聞いて、日本の武将「織田信長」を思い出してしまうのは私です。なんとなく織田信長のイメージと重ならないかな?
1350年に即位したペドロ1世はイスラム様式に陶酔していたそうで、1362年から2年をかけてアルハンブラ宮殿を模して大改築を行いました。
スペイン各地からイスラム職人を呼び寄せるほどのこだわりっぷりだったそうな。セビリアのアルカサルは、ペドロ1世のこだわりが光る宮殿なのです。
セビリアのアルカサル入り口
セビリアのアルカサルの入り口はセビリア大聖堂の向かいにあります。レンガの城壁に赤い壁が目印で、ライオンの絵が描かれています。その名も「ライオンの門」です。
アルカサルはセビリアの人気観光名所で、「ライオンの門」には観光客が列をなしていることも多いです。
時間帯によるのですが、混雑している時は1時間くらい待たされることも。「ライオンの門」に列ができていなければすんなり入れます。
「ライオンの門」を抜けて右側が、アルカサルのチケット販売所です。
ペドロ1世がこだわったムデハル様式
アルカサルに入って広場を抜けた正面にあるのが、ペドロ1世の宮殿です。
残虐王でもあり正義王でもある異端児とも言えるペドロ1世。
そのペドロ1世の宮殿は、イスラム教とキリスト教の建築様式が混ざった美しいムデハル様式で建築されています。
こんな美しいペドロ1世の宮殿には恐ろしい伝説が。
「残虐王」と呼ばれていたペドロ1世の奥さんが不倫した相手を、この場で打ち首にしたそうです。今でもその血が柱のどこかに残っているのだとか。ヒェー。
光降り注ぐ「人形の中庭」
ペドロ1世の宮殿に入って右側にあるのが、人形の中庭(Patio de la Muñecas)です。
庭と言うにはかなり小さい空間ですが、かつてはここで子どもを育てていたそうです。
1847年〜1855年の間に改修が入って、1階と2階がネオムデハル様式。ネオ=新、新しいムデハル様式ってことね。この名前気に入ったわ。
天井がガラス張りみたいになっていて光が降り注いでいました。壁のデコレーションがかなり繊細で美しい。
人形の中庭にあるアーチの柱には9つの人形の顔が彫ってあり、それを見つけた人には幸運が訪れるのだそう。私は見つけられませんでした…。
アルハンブラ宮殿を思わせる「乙女の庭」
ペドロ1世の宮殿の中で一番広い空間は、乙女の中庭(Patio de las Doncellas)です。
アルハンブラ宮殿で見たことある〜この感じって思う人もいるかもしれません。私は思いました。
5つと7つのアーチに囲まれている素敵な空間。1540年〜1572年の間にアーチは少し改修が入ったようです。
かつては2階は宿泊施設として使われていました。客人をお泊めしていたりしてたのだそう。今は2階は立ち入れないです。
金細工がまぶしい「大使の間」
ペドロ1世の宮殿で一番優美な場所は、大使の間(Salón de los Embajadores)です。大使の間は乙女の中庭の隣にあります。
大使の間は3連のアーチ型の柱に囲まれています。柱の装飾も細かくて、正確性があって建築美を感じます。
大使の間の天井は必見。金色の装飾が光るひときわ豪華な天井です。
大使の間は客人を待たせておく場所。きっとこの天井は客人が待っている間に恐れおののいて、会う前からペドロ1世にひるんでしまうように作られたに違いない。
スペインでこの天井は、Media Naranja(半分のオレンジ)って言われているそうです。確かにカットしたオレンジみたい。
ちなみに「Media naranja」はスペイン語で、「一生を共にする人、伴侶」という意味もあります。
雰囲気変わるゴシック様式の宮殿
ペドロ1世の宮殿の乙女の中庭の脇にある階段を上がると、ゴシック様式の宮殿に抜けます。ペドロ1世の宮殿とはガラリと雰囲気がチェンジ。
ムデハル様式の幾何学的なタイルと異なり、描写的というか絵みたいなタイルに囲まれています。
ムデハル様式の宮殿を見た後だから、私はゴシック様式の宮殿は興味がだいぶ削がれちゃったけど。大きな布が展示されていたりと、広い空間でした。
マリア・デ・パディージャの浴場
ゴシック様式の宮殿の下層階には、マリア・デ・パディージャの浴場(Baños de Doña Maria de Padilla)があります。
ここはちょっと興味深い。だって、マリア・デ・パディージャは残虐王のペドロ1世が愛した愛人なの。
そんな愛したマリアのための浴場はこんな感じ。
ここが水浴び場なのか…冬寒そう、と思った私でした。
癒しスポット「マーキュリーの池」
マリアの浴場近くの階段を上がったところにあるのが、マーキュリーの池(Estanque de Mercurio)です。
何気にアルカサルのすべての水を供給する重要スポットです。
水が上からちょろちょろ池に落ちて、なんとも癒しのスポットになっとります。池の真ん中の像はマーキュリー氏。
池の淵にライオン?の像が立っていました。かわいいのでパシャリ。
2階の廊下に上がってみる
マーキュリーの池の裏には階段があって、2階のバルコニーとなっている廊下に登ることができます。
廊下に上がるための階段は、池にあるオレンジ色の建物の裏側にあります。
もう一つは庭にあります。
マーキュリーの池とアルカサルの庭園を見下ろせる廊下です。ここは是非歩いてみて。
廊下の突き当たりまで行くと、奥にセビリア大聖堂のヒラルダの塔が見えます。フォトスポット!ここから見るとちょっと南国みたい。
かくれんぼしたくなる庭園
セビリアのアルカサルの庭園はものすっごく広いです。庭園を全部くまなく見ようと思うと、宮殿の観光と合わせて2時間くらいかかると思います。
秘密の花園みたいな庭園。迷路みたいになっていて、抜け道見つけないとぐるぐるしちゃう。
ところどころバラなどのお花が咲いていたよ。春はもっときれいだったりするのかな。
庭園のベンチでひと休憩。ベンチはムデハル様式が多い。こんなところにもアルカサルの歴史を感じる。
庭園をふらふら歩くのが好きなわたし。ここを歩くカップルを見てうらやましく思いました。
アルカサルのチケットの買い方
アルカサルのチケットの予約・購入方法を説明します。
アルカサルの公式サイトに行くと、チケットの種類が表示されます。この記事では
- 通常チケット
- 月曜の入場料無料チケット
この2つのチケット予約・購入方法をご説明します。
通常チケットの買い方
通常のチケットは「Visita General」を選択して予約・購入します。
チケットの種類は複数あります。一番上が一般チケット。65歳以上は年齢が証明できるものがあれば割引購入可能。17歳〜25歳の国際学生証を持っている人も割引購入できます。
枚数を指定して「Siguiente」へ。
日付を指定して「Siguiente」へ。
時間を指定して「Siguiente」へ。
次の画面で音声ガイドの購入を促すウィンドウが出ますが右上の×を選択。(日本語音声ガイドなし)
内容を確認して「Finalizar Compra(購入)」へ。
「Quiero comprar sin registrarse(登録なしで購入)」を選択し、個人情報を入力。2つのチェックボックスにチェックを入れて「Pagar(支払い)へ。
以降はクレカの支払い画面です。
15分以内に支払いまでたどり着かないとキャンセルとなり、予約・購入は最初のステップからやり直しです。
月曜の入場料無料時間のチケット
アルカサルには月曜日に入場料無料の時間があります。
- 10月〜3月:16:00-17:00
- 4月〜9月:18:00-19:00
無料と言っても実は手数料1ユーロを取られます。なので、実際は1ユーロで入場できるということです。
2017年10月16日から入場料無料の時間に入るには事前にチケットの予約・購入が必要となりました。事前予約・購入のチケットがない人は入場できません。
月曜の入場料無料時間のチケットは「Lunes Entrada horario gratuito」を選択して予約・購入します。
チケット枚数を指定して「Siguiente」へ。
日付を指定して「Siguitente」へ。
時間を選択して「Siguiente」へ。見学時間が長い方がいいので早い時間の方がおすすめ。
内容を確認して「Finalizar Compra(購入)」へ。
「Quiero comprar sin registrarse(登録なしで購入)」を選択し、個人情報を入力。2つのチェックボックスにチェックを入れて「Pagar(支払い)へ。
以降はクレカの支払い画面です。
15分以内に支払いまでたどり着かないとキャンセルとなり、予約・購入は最初のステップからやり直しです。
事前に月曜の入場料無料のチケットを購入しても、入場する際には並ばなければいけませんでした。
◆アルカサル(Real Alcazar de Sevilla)
住所:Patio de Banderas, Sevilla
入場時間:10月〜3月 9:30-17:00 4月〜9月 9:30-19:00
無料時間:10月〜3月の月曜 16:00-17:00、4月〜9月の月曜 18:00-19:00
通常の入場料:大人14.5ユーロ/14歳〜30歳までの学生と65歳以上7ユーロ
観光所要時間:1.5時間〜2時間
宮殿好きは見ておくべし セビリアのアルカサル
スペインの宮殿と言うと同じくアンダルシアにある「アルハンブラ宮殿」が有名すぎるのだけど、異なる建築様式が見られるセビリアのアルカサルも興味深いです。
最後のアルカサルの出口となる庭。ここは誰でも入れます。クラスで一緒だった画家の子が、ここで絵を描いて売っています。
セビリアのアルカサルはアルハンブラ宮殿より後にできているため、アルハンブラ宮殿の良いところを採用した、ペドロ1世のこだわり光る個性的な宮殿になっとります。広い庭園の散策もおすすめです。
最後まで読んでくれてありがとう。
Hasta luegui!!!
ツアーでセビリアに行くなら
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