ヘレス・デ・ラ・フロンテーラと言えば馬術とフラメンコとシェリー酒の町!
「ティオぺぺ」ブランドで有名なゴンサレス・ビアス社のシェリー酒ボデガ見学に行ってきました。実は3度目。
3度目の訪問で残念だったのはカットされた見学箇所があることと、見学ツアーの値段が値上がりしていたこと。涙。
それでは、ヘレスのシェリー酒ボデガの見学スタート!
ティオぺぺのボデガへゴー!
ヘレスでシェリー酒のボデガを見学するにあたり、ゴンサレス・ビアス社のボデガに行くことにしました。ボデガとはシェリー酒が製造されている酒蔵(工場)のことです。
「ティオ・ぺぺ」は、ゴンサレス・ビアス社の有名なブランドです。現在は15代目。
「ティオぺぺ」というシェリー酒のブランドを知っている人は少なくはないはず。日本のバーやレストランでも、「ティオぺぺ」のフィノ(辛口シェリー酒)を置いているところ結構ありますもんね。
ヘレスのカテドラルの近くにゴンサレス・ビアス社のボデガはあります。「VISITAS」と描かれている方向が見学入り口。
入り口でチケットを買って待合サロンで待つ。見学ツアー代金は以下の通り。
- 2種類のシェリー酒飲み比べ付き:15ユーロ
- 2種類のシェリー酒飲み比べ+アンダルシアタパス3種類付き:18.5ユーロ
- 4種類のシェリー酒飲み比べ付き:18.5ユーロ
- 4種類のシェリー酒飲み比べ+アンダルシアタパス3種類付き:21.5ユーロ
10年前よりかなーり値上がりしたと思います。迷ったけど、2種類のシェリー酒飲み比べ+アンダルシアタパス3種にしました。
他のシェリー酒のボデガに行こうか迷いました。ティオぺぺのシェリー酒ボデガ見学は過去に2回行っていて、楽しいということはわかっていたからもう一度行くことに。
自分のスペイン語の理解度が上がっているのかを試すためにも。
ボデガ見学はミニ電車でスタート
ほぼ時間ぴったりにボデガの見学ツアーは始まります。まずはミニ電車に乗るように促される。
道がガタガタしてて結構揺れる。
ゴンサレス・ビアス社のボデガは敷地がとっても広い!富豪一族だ。
シェリー酒を飲みすぎた酔っ払いが通ったから「ciegos」って名前なんですか?と見学客に質問されていた通り。その質問を華麗にスルーした説明のおねーさん。
ヘレスのブランデーについての説明から
ミニ電車はまず最初にブランデーのボデガに到着します。シェリー酒の前にヘレスのブランデーの説明から。
ヘレスのブランデーは、シェリー酒を作るのと同じ白いぶどうから作られます。
同じ白いぶどうがヘレスのワインと呼ばれるシェリー酒になるのか、ヘレスのブランデーになるのかは運命の別れ道。蒸留機に入れられ、長い時間かけて樽の中で熟成されていきます。
蒸留される前は60%以上あるアルコール度数が、最終的には36度くらいになるのです。左の透明なものがアルコール度数が高く、右に向けて段々と低くなっていきブランデーが出来上がります。
シェリー酒の製造工程と熟成方法
ヘレスのブランデーの説明が終わったら、いよいよシェリー酒のボデガの見学ゾーンに入っていきます。
シェリー酒の製造工程や熟成の方法の説明はおねーさんがサラッと行うので、見学客が質問するかどうかで内容の濃さが変わってくると思いました。
シェリー酒を作るぶどうは種類分けされている
シェリー酒にはフィノのような乾いた辛口のシェリー酒から、どろっとしたペドロ・ヒメネスのような甘口シェリー酒まで、多くの種類があります。
全て同じ白いぶどうから出来ているのかと思ったら、あら勘違い。
辛口と甘口のシェリー酒は品種の異なるぶどうから生産されているそうです。ぶどう畑の場所も異なっている。
シェリー酒のためのぶどうの畑は、シェリー酒の産地であるヘレスやサンルーカル、プエルト・デ・サンタマリアなどに点在。ゴンサレス・ビアス社は、ヘレス近郊にかなり多くのぶどう畑を所有しているようです。
異なるシェリー酒を作っていく工程
辛口シェリーと甘口シェリーはぶどうの品種が異なりますが、辛口シェリーの中でもフィノとオロロソでは色も香りも全然違います。どうやって作り分けてるのかというと…
樽でアルコール発酵されて「flor」と呼ばれる膜ができた後に、香りと味を見るテイスティングが行われます。ここで「あなたはフィノ」「あなたはオロロソ向きね」とカテゴリー分けされるのです。
フィノはアルコール度数15度になるよう調整され「flor」を保ち続けます。一方、オロロソは17度になるよう調整され「flor」はなくなる。
中間のアモンティリャードは初めはフィノとしての経歴をスタートさせ、途中でアルコール度数が17度になるよう調整されると「flor」がなくなってオロロソに近づくという仕組みです。
「ソレラ」と呼ばれる独特なシェリー酒熟成方法
シェリー酒の熟成方法を知るために、ボデガの中に入っていきます。中に入った瞬間シェリー酒の良い香りに包まれ、思わず「Huele de maravilla…」と声を出してしまう。
ボデガの中は空気が適度に通るようになっていて、室温・湿度管理がしっかり行われています。樽は地面に直接置かずに、下に隙間を作っているとのこと。
シェリー酒の樽は満杯にはなっていません。必ず隙間を作って空気に触れさせる部分を作る。
樽の中で空気に触れさせることで、シェリー独特の風味や香りを出しているのだそうです。
ボデガに積み上げられた樽は、シェリー酒を熟成させるための「ソレラ」と呼ばれる独特な方法に使われます。
一番下の樽が一番熟成が進んでいるシェリー酒。出荷時は一番下の樽から注ぎます。
一番下の樽から一定量を注ぎ、減った分は下から二番目の樽から一番下の樽に継ぎ足すという方式。
樽に入っているシェリー酒を全て注いでしまうことはしないそうです。二番目の樽の減った分は、さらにその上の樽から継ぎ足す。
要は秘伝のタレみたいにずっと継ぎ足している方法が「ソレラ」と呼ばれる方法。これによってシェリー酒の独特な風味がさらに出ているのだね。
シェリー酒の熟成はあくまでも樽の中で行います。
ワインのようにボトルに詰めた後に10年寝かせる、とかはしない。出荷して他と交わらなくなったシェリー酒は「ソレラ」方式による熟成がないものね。
ボデガに残る著名人たちのサイン
辛口シェリー酒が積まれたボデガでは、著名人のサインが入った樽を見ることができます。ティオぺぺのボデガを訪れた著名人たちはすごい多いのね、とわかるサインの数です。
手前の真ん中がパコ・デ・ルシアのサイン。
「Viva Mi Tierra」って書いてあるね!
スポーツ選手やフラメンコの著名人。皇族たちのサインもたくさん。そんな中、日本人の樽もございます!
徳仁さまの御サイン。ローマ字の中に目立つ端正な文字が目立ちます。
ねずみも大好きな甘口シェリー酒
ボデガにはねずみが住んでいるそうです。普段は姿を現さないけど、人がいなくなるとねずみがひょっこり出てくるんだって。
ねずみは甘口のシェリー酒が大好き。特にペドロヒメネス。
だからねずみたちのために、シェリー酒のコップにハシゴをかけて飲めるようにしてあげているそうです。アニメのワンシーンみたい。
実際にシェリー酒を飲んでいるねずみの写真もありました。
カットされたティオぺぺのボデガ見学箇所
過去2回はあったけど、今回3回目ではカットされていた見学箇所。それは、樽に世界の国旗が描かれているゾーンです。
スペインの国旗が真ん中にあって、中央に近ければ近いほどシェリー酒を輸出している国だと説明を受けました。
日本はかなり中央に近く、シェリー酒の輸出に一役買ってるぽかったです。現在もそうなのかな?
なんでこの見学箇所なくなってしまったのだー!残念。
お待ちかねのシェリー酒試飲タイム
見学ツアーが全て終わると、最後にシェリー酒の試飲タイムがあります。
一番安いツアー料金には2杯のシェリー酒試飲が含まれています。辛口のフィノと甘口のクロフトの2種類。
私は3ユーロプラスでタパスをつけてみました。ポテトのマリネ・チーズ・肉の3種類で3ユーロなら満足。
飲むときには何か食べ物を口にしたい人は、タパスがセットになった入場券にしておくのがおすすめ。
ところで、昔はシェリー酒2杯だけの入場券でもポテチが付いてきたと思うのだけど気のせい?
試飲が終わったら各自帰っていいことになってます。同席した人に「お疲れ〜」と言って席を後にする。
お土産ショップでは、ティオぺぺブランドのシェリー酒やマスコットのグッズが買えます。
ティオぺぺのボデガ見学終了
ティオぺぺのシェリー酒ボデガ見学は、全部で1時間30分くらいの内容でした。この内容なら15ユーロ以上は妥当なのかも。
見学ツアーはスペイン語・英語・ドイツ語に対応しています。時間は季節によって変わるので事前に確認しておいてね。
スペイン留学している人やスペイン語を勉強中の人は、ぜひスペイン語の見学ツアーに行ってみて。特にシェリー酒の熟成方法の説明がおもしろかったです。
そして試飲もお楽しみに。私は2杯のシェリー酒でほろ酔いになり、気分良く帰路に着いたのでした。
住所:Calle Manuel María González 12, Jerez de la Frontera
スペイン語ツアー時間:12:00 13:00 14:00 17:00 18:00
英語ツアー時間:12:00 13:00 14:00 16:00 17:00
ドイツ語ツアー時間:12:15 14:00 16:00
(いずれも日曜は14:00が最終・11月〜5月は18:00の回なし)
最後まで読んでくれてありがとう。
Hasta luegui!!!
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