ロシオの巡礼祭「Romería del Rocío」は、スペインの重要なお祭り・宗教行事です。
「ロシオの巡礼祭」って何?どうやって行くの?プレイベントの「カンデラリア」って?など、スペインの宗教行事に馴染みのない私はいろいろ調べてみました。
2018年のロシオの巡礼祭を覗きに行ったので、その時の様子もご紹介します。
ロシオの巡礼とは?
日本にいる時から名前は聞いたことあったけど、「ロシオの巡礼祭って何?」とずっと思ってました。
「ロシオの巡礼祭」とは、スペインアンダルシアで行われる重要な宗教行事です。
エル ロシオ(El Rocío)という村に向けて、数日かけて各地から巡礼が行われます。
山車みたいなのを引きながら、大勢で歩く姿は見たことがある人も多いのではないでしょうか。毎年数万人という単位でエル ロシオの村に歩いて向かうのです。
初めて「ロシオの巡礼祭」が行われたのは、1814年の5月。初めは馬28頭、荷車34台と規模は小さかったようですが、現在では荷車の数だけでも100を超えていて、かなり大きな規模になっています。
エル ロシオ(El Rocío)とはアンダルシアのウエルバ県の、アルモンテ(Almonte)にある村です。
村と言ってもこの巡礼祭用の村って感じで、周りは本当に何もない。ドニャーナ国立公園があるくらいです。
スペイン各地から巡礼で集まった人は、キリストの復活から50日後の「ペンテコステ」と呼ばれる聖霊降臨の日に出てくるエル ロシオの聖堂の「ブランカパロマ(la blanca paloma)」を見に来ます。
祈りながらブランカパロマに触れると1年幸せに暮らせるのだそうです。
エル ロシオの聖堂にいるのが、小さな白いマリア像「ブランカ・パロマ」です。
このブランカ・パロマを見るために、エル ロシオに向かう人の数は100万人とも言われています。花火大会みたいな人出!
土曜日からエル ロシオでは行進などの行事が始まり、月曜日の早朝にエル ロシオの聖堂からブランカパロマ(マリア像)が出て来る瞬間がクライマックスです。
特に地元アルモンテの人にとっては「ロシオの巡礼祭」は特別なものです。
テレビのインタビューで「365日、ロシオの巡礼祭のために生きている。」と言っていた人がいました。その彼にとっては、人生=ロシオの巡礼祭ということなのですね。
エル ロシオの礼拝堂で祈り
2018年の「ロシオの巡礼祭」を覗きに行ったので、その時の様子を少しご紹介します。
エル ロシオの聖堂の前に白い礼拝堂があります。エル ロシオの聖堂でブランカ・パロマに祈りを捧げた後は、この礼拝堂でろうそくに祈りを捧げました。
たくさんのろうそくの炎がゆらゆら揺れています。神聖な空間な感じがします。
私もろうそくに祈りと感謝の気持ちを込めて、火を灯してきました。
自分で火を点けたろうそくの炎を見ていると、スペインでの自分の生活を振り返って、なぜかこみ上げてくるものがありました。
ろうそくは入り口、または礼拝堂の隣で0.5ユーロで購入できます。
礼拝堂の入り口には小さなマリア像があります。マリアの手に触れる人もいれば、
マリアの手にろうそくを触れさせていると人もいました。私もマリアにろうそくに触れてもらい、その後にろうそくに火を点けました。
ロシオの巡礼の服装と交通手段
「ロシオの巡礼祭」の交通手段は、伝統が受け継がれています。
スペインの各地からエル ロシオを目指す方法は、馬や荷車、そして徒歩です。
手作りの馬車がエル ロシオの村のあちこちに停まっていました。つまり歩いてスペイン各地からエル ロシオに向かうということです。
マドリードからエル ロシオに向かう人もいるそう。何日かかるのだ!
エル ロシオには馬に乗る人用の格好や、フラメンカ衣装(フェリアの時の衣装)で来ている人が多いです。
荷車に乗るのは人だけではありません。各地のマリア像が荷車に乗せられて、各地域が持つエル ロシオの宿泊施設に停泊します。
エル ロシオの村の中
エル ロシオは本当に小さい村です。各地から集まった巡礼者は、エル ロシオにあるエルマンダが持っている宿泊施設に泊まるか、近くのドナーニャ国立公園にテントを張ったりします。
各地から馬や荷車でエル ロシオに到着した後は、エルマンダが所有している宿泊施設に数日滞在します。
私はカンデラリア(Candelaria)に行った際にこの宿泊施設を見せてもらったのですが、一つの家にいくつもの部屋があり、各部屋には3〜4個の二段ベッドがありました。
宿泊施設で共同生活しながら、「ロシオの巡礼祭」のクライマックスを待つわけですね。エル ロシオの村の中にある宿泊施設の中は勝手に入っていいものではないので、私は外から見るだけです。
大きいテントを張って食事をしている光景もありました。エルマンダの宿泊施設へ入ることができない人は、荷車で寝泊まりするようです。結構過酷。
エル ロシオでのフィエスタ
「ロシオの巡礼祭」のメインイベントを待つまでの間は、この宿泊施設で歌ったり踊ったりのフィエスタが繰り広げられています。
エル ロシオの宿泊施設の中では大量の食事も提供されます。宿泊施設を持っているお金持ちが知り合いを宿泊施設に招待して、フィエスタのためのアーティストを雇うという仕組みらしいです。
カンデラリア(Candelaria)とは?
1月末に友達からカンデラリア「Candelaria」に行こう、と誘われて行ってきました。
カンデラリアはプレロシオみたいなものらしく、「ロシオの巡礼祭」の数ヶ月前にエル ロシオで行われるフィエスタでした。
聖堂でブランカ・パロマ(マリア像)を拝んだ後、友達の知り合いがいる宿泊施設に入れてもらいました。
私たちは一晩だけ宿泊施設で過ごしたけど、スペイン北部から来られている方がいて、1週間〜2週間エル ロシオの宿泊施設で過ごすと言ってました。その間、毎日のようにフィエスタをしているらしいです。
エル ロシオへの行き方
「ロシオの巡礼祭」はアンダルシアの一大イベントなので、セビリア、ウエルバ、アルモンテや近郊の町からはエル ロシオまでは臨時のバスが出ています。
セビリアとエル ロシオをつなぐバスは本数が多く、夜中も2時、4時、5時といった時間に走るバスがあるので、かなり便利にセビリアからエル ロシオまで行くことができます。
2019年の「ロシオの巡礼祭」の臨時バスの時刻表はdamasのHPの掲載情報をご覧ください。
200年以上の歴史があるロシオの巡礼祭
ロシオの巡礼は200年以上の歴史を持つ伝統的な宗教行事で、荷車を引いて歩いてエル ロシオの村に向かうというスタイルを今も続けています。
ブランカ・パロマに祈りを捧げることは特別なことのように、宗教に疎い私でさえ感じました。
エル ロシオの一番の盛り上がりは土曜日の夜から月曜日の朝にかけて。この時間にエル ロシオにいたことは私はないけど、セマナサンタのような神聖な時間が流れているのでしょう。
最後まで読んでくれてありがとう。
Hasta luegui!!!
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