セビリアのフラメンコ生活で感じたある意味カルチャーショックなこと

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セビリアにフラメンコ留学する前に抱いていたフラメンコ生活のイメージと、セビリアに来てからのフラメンコ生活には隔たりがあります。

いわゆるカルチャーショックというやつです。

私がセビリアで感じた、フラメンコ生活に関するカルチャーショックについて触れたいと思います。

目次

スペインに来る前に抱くフラメンコ漬け生活のイメージ

ひょんなことからセビリアでのフラメンコ留学生活について聞かれたことが、今回のカルチャーショックを考えることになったきっかけです。

スペインにフラメンコ留学に行けば、地元のフラメンコ友達と知り合いになって、毎日のように一緒にフラメンコを見に行ったり、フィエスタに行ったりしてるんでしょ?

そんなような質問を受けたのですが、なんだかだいぶ盛られたフラメンコ留学生活をイメージされていると思いました。

私は現在セビリア生活が4年目になり、日常生活の一部としてフラメンコの勉強を楽しんでいる状態。

あまりも普通に過ぎていく日々の中で忘れかけていたけど、スペインに来る前に抱いていたフラメンコ漬け生活のイメージと、実際は少し違ったなと自分でも感じたことを思い返しました。

私に問いかけた友達のように、私もスペインに来る前は「毎日フラメンコ学校のクラスに通い、スペイン人のフラメンカの友達ができて、毎日フラメンコを見に行って、週末は昼からフラメンコを楽しむ」そんな生活を思い描いていました。

まさに寝ている時間以外はフラメンコなフラメンコ漬け生活。

moni
スペイン・セビリアへ抱くイメージはこうも美化されていたんだなと我ながら思います。

実際のセビリアのフラメンコ留学生活で感じたカルチャーショック

実際のフラメンコ留学生活はどうなのかと言うと、スペインに来る前に持っていたイメージとは少し違います。ある意味カルチャーショックがありました。

そのカルチャーショックがどのようなものなのか、私のケースをご紹介。

地元のセビジャーノ/ナはクラスに行かない人も多い

スペイン、特に地元セビリアのバイラオール・バイラオーラたちは、フラメンコ学校が主催するクラスに来ない人も多いです。

スペインの他の地域(マドリードやアンダルシアの他都市)から短期でセビリアに来ているスペイン人は滞在期間中にこぞってクラスを取ることもありますが、地元民は意外とクラスにいなかったりする。

私たち外国人留学生はクラスに行くことも目的の一つとしてスペインに来てるわけだし、自国では受けることができない先生のクラスをたくさん受けたいと思うのが通常。

かたや、地元民はいつでもクラスには行ける環境だから生き急いでクラスに行く必要がない。

定期的にはクラスに通わず、プロの踊り手として活動していて足りないものを補うためにたまにクラスに行く、クルシージョを受けるみたいな人が多い印象です。

そして、クラス代が高いから毎月クラスには行けないという地元民もいます。留学生はそのためにお金を貯めてきているけど、地元民はお金があればクラスに行く(かも)くらいのスタンス。

だからフラメンコ学校のヘネラルと呼ばれる通常定期クラスに行くと、ほとんどが外国人ということもあります。日本人率がめちゃくちゃ高い時(半分とか)もあり。

そうなると、地元セビリアのフラメンカたちと知り合う機会はなかなか少なかったりします。

moni
少ないだけで、もちろんクラスで一緒に地元のフラメンカと学ぶこともあるし、そこで友達になることもあるYO.

スペイン人の中に混じってクラスを受けてる!感は実はあまりなく、クラスに1人〜2人スペイン人がいるかなという感じです。

遠くの町までフラメンコを見に行くことはあまりない

地元セビリアで開催されるフェスティバルや、行ってもヘレスくらいの車で日帰りできる近さなら行くけど、わざわざ泊まりでフラメンコを見に行こうと思う地元のフラメンカはあまりいないです。

他の町に泊まればそれなりにお金がかかるので、そこまでお金を出そうと思わないとのこと。予算には限りがあるから当然と言えば当然か…。

フラメンコ留学生、特に日本のフラメンコ留学生は、遠くの町でも見たいフラメンコがあれば行く人が多い。

電車やバスに乗って3時間、フェスティバルは始まるのが夜だしレンタカーもなくて帰れないので、泊まりでわざわざ行ったりします。日本から来る人もいるくらいだしね。

昨夜アルカラで開催されたディエゴ・デ・モロンのオメナヘ(すばらしかった…)も、セビリアが地元のフラメンカたちをあまり見ませんでした。

moni
ちなみに日本人は20人以上いました!

地元セビリアの人たちは、意外とセビリアからは出ないんだなというのが私の個人的な印象です。

なんならセビリアのペーニャで開催される公演ですら、気が向かなければ行かない。何が何でも見たい!と息巻く私たちとは、やはり違う気がします。

毎日見るほどフラメンコのライブはない

セビリアにいれば毎日フラメンコライブを見るのだろう、スペインに来るまで確かにそんなイメージを持ってました。

しかーし、毎日見るほどフラメンコのライブはない。それに、クラスと練習で割とクタクタなのに、毎日フラメンコライブ見に行ってたら体力もお金も持たん。

というわけで、毎日フラメンコのライブを見るというのは幻想に過ぎなかったです。

もっとも、タブラオに行けば毎日フラメンコショーをやっているから見られなくもないけれど…そんなマネーはありませぬ。

なんやかんや言ったけどセビリアのフラメンコ生活は楽しいです

日本で抱いていたスペインの、セビリアのフラメンコ生活と実際の生活は違うことも多々あり、自分が甘い幻想を抱きすぎていたのだなと思うこともあります。

それでもセビリアでのフラメンコ生活は私にとっては実りがあります。

好きなフラメンコを間近で見られたり

好きなアーティストからフラメンコ哲学を聴くことができたり

日本では体験できないフラメンコを見たり

同じフラメンコの匂いが好きなフラメンカと友達になったり

セビリアでしか体験できないことも多くありました。

カルチャーショックを感じることは今でもありますが、スペインへの幻想だけが大きくなりすぎず、現実を知ることができて良かったです。それも大切な経験。

最後まで読んでくれてありがとう。
Hasta luegui!!!

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この記事を書いた人

スペイン語とスペイン文化+αを学ぶため会社を退職して2015年〜2021年までスペインのセビージャ暮らし▷2024年東京大学文学部に学士入学して現在は美学芸術学専修の3年生。好きな言葉は「我々は無理をしない」のふなっしー推しなっし。多言語学習中。X(twitter)は悩める大学生活や勉強に関するポスト多め。

コメント

コメント一覧 (2件)

  • 水曜日にセビリア入りして、毎日飲み歩いています。
    のんびりで、まだトリアナ以外は行けてないですけど(笑)
    フラメンコは明日見に行く予定です。
    ホテルで予約してもらったので、多分観光客用だとは思うのですが、楽しんできます。

    • > みきさん
      フラメンコは楽しめましたでしょうか?
      飲み歩き羨ましいです(^^)
      最近お天気はナナメですが、おいしいタパスとリーズナブルなお酒でとことん楽しめるのがセビリアの魅力の一つでもあります。
      ぜひぜひ楽しんで帰られてください!

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