映画「オーケストラ!」の感想|本番に奇跡が起こる確率

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初めてこの映画を観たのはおそらく公開当初の頃。ツッコミどころは多々あれど、結局ラストの演奏シーンでは感動して涙したのをよく覚えてます。また観たいと思っていた映画です。

かなり久々にぶりに観て、やっぱりツッコミどころは多い。そしてコミックなのか、感動ものなのか、製作者の狙いどころがよくわからない。

がしかし、ヒロインのメラニー・ロランがとにかく美しすぎるので画面に釘付け。彼女の貢献度の高さよ。

それとこの映画を観ると、しばらくチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を聴きたくなります。名曲。

日本語では映画タイトルが「オーケストラ!」(びっくりマーク付き)だけど、フランス語の映画タイトルは「Le Concert」でコンサートという意味。個人的には日本語タイトルの「オーケストラ!」の方が合ってるような気がする。

というわけで、映画「オーケストラ!」の感想を書きます。あらすじネタバレするので、これから観ようと思ってる人は気をつけてくださいませ。

出演:アレクセイ・グシュコブ, 出演:メラニー・ロラン, 出演:フランソワ・ベルレアン, 出演:ドミトリー・ナザロフ, 出演:ミュウ=ミュウ, Writer:ラデュ・ミヘイレアニュ, Writer:アラン=ミシェル・ブラン, Writer:マシュー・ロビンス, 監督:ラデュ・ミヘイレアニュ
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目次

映画「オーケストラ!」の見どころ

この映画の見どころは、後半のオーケストラ演奏シーンなのだと思います。

ユダヤ人が排除された過去がありながらも再び舞台に立つことを夢見ていた主人公のアンドレイ。親友らしきチェリストのサーシャ、かつての楽団員、ジャーマネなどが加わり、乗っ取りのような形で即席”ボリショイ交響楽団”のパリ公演にこぎつけた。

数十年のブランクがある演奏もバラバラだった楽団員が、本番にメラニー・ロラン演じるヴァイオリニスト(ソリスト)の音色を聴いてかつての仲間を思い出し、奇跡を起こすシーン。

それまではコミックのような感じで話が進み、練習どころかメンバーきちんと会場に来るのかな?みたいなドキハラな展開の中、ラストの演奏シーンだけは感動的な流れになってます。

それと、メラニー・ロラン演じるアンヌ=マリー・ジャケの出生の秘密が明かされるのも、映画の重要なストーリー。

出生の秘密に関わりそうなシーンが何度か回想で出てくるけど、初めて観た時は途中まで勘違いしていたので、ラストの方でやっとつながりました。

映画「オーケストラ!」を観た率直な感想

数年ぶりにこの映画を観て感じた率直な感想。

メラニー・ロランがとにかく美しい

この映画を観た人の多くが感じるであろう。メラニー・ロランの驚くほどの美しさ。

美人、かわいい、透明感、ミステリアス、エレガント、クール。全てを兼ね備えた女性で、何度観ても、どんな角度で観てもうっとりです。

役柄はクールビューティーな感じなんだけど、ラストシーンで感動しながら演奏する姿や、一人二役で母親役を演じた時の暖かさなど、さまざまな顔を見せてくれて素敵な女優さんだなと思いました。

アンヌ=マリー・ジャケのヴァイオリン演奏のキリッとした眼差しと、母親役の時のヴァイオリン演奏の優しい眼差しにコントラストがあったのが印象的。

親友のチェリストがいい味出してる

かつてのボリショイ交響楽団でチェロ奏者だったサーシャ・グロスマン。ユダヤ人で現在は家族と離れて暮らし、救急車の運転手をしています。

主人公で指揮者のアンドレイの親友っぽい役どころなんだけど、とてもいい味出してる。

主人公を優しくアシストする姿が、ちょっとだらしなく頼りない主人公のいい味方。存在感のある演技をする俳優さん。

指揮の演技って難しい

本番でチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲を演奏するシーン。

主人公のアンドレイは指揮者なので指揮するシーンが出てくるのだけど、指揮の演技って本当に難しい。

そもそも指揮がプロフェッショナルな仕事であり、見よう見まねではできないんだなということがよくわかります。

それでももう少し特訓できなかったのかなと思ったり。音楽に合わせて動いてる(のもいただけないが)どころか、遅れてるのでは。

ヴァイオリニストのメラニー・ロランは2ヶ月の特訓をしたそうだけど、指揮者役のアレクセイ・グシュコブ氏はどうだったんでしょうか。

本番に奇跡が起こる確率

この映画の一番のツッコミどころは、本番の奇跡に賭けすぎということ。

オーケストラで演奏している人のみならず、舞台に立つ経験をしたことがある人は誰もが痛感していると思うけど、練習でできなかったことが本番の舞台でだけできるようになることはないです。

何百回も練習で確実にできていたことが本番ではうまくいかないことはありますが、練習でできなかったことが本番で急にできるようになることはないはず。少なくとも私は経験したことがない。

なので、ソリストの演奏がどんなに昔を懐古させるような素晴らしいものであったとしても、本番まで全く練習もしなかったオーケストラがスタオベの感動的な演奏をしてしまうという展開には少々ズッコケます。

世界的に有名な交響楽団の演奏という設定での公演。それなのにアル中の指揮者は前日に大量に飲酒してメンタル不安定。

そんなに甘い世界じゃないでしょ。

そして、本番に向けて楽団員たちが真摯に練習していない姿勢も共感を得がたい気がしました。乗っ取り公演をやると決めた時点で、真面目モードにシフトしてほしかったな。

ギレーヌはどうなった?

映画の物語の中で重要な役どころとなる、メラニー・ロラン演じるアンヌ=マリー・ジャケのマネージャーのギレーヌさん。

ネタバレしないようちょっとオブラートに包むけど、ものすごく重要なことをして重要なポジションであるにも関わらず、オーケストラの演奏後の拍手のシーン以降は出てこない。

で、ギレーヌさんはどうなったの?

メラニー・ロランの前から姿を消したけど、こっそり演奏は見にきてました。で、終わり?なんだかちょっとかわいそうに思いました。

映画「オーケストラ!」を観る方法

映画「オーケストラ!」はAmazonプライムビデオで観られます。

プライムビデオのレンタルなら数百円で観ることができるので、アマプラ会員様にはプライムビデオがおすすめ。

出演:アレクセイ・グシュコブ, 出演:メラニー・ロラン, 出演:フランソワ・ベルレアン, 出演:ドミトリー・ナザロフ, 出演:ミュウ=ミュウ, Writer:ラデュ・ミヘイレアニュ, Writer:アラン=ミシェル・ブラン, Writer:マシュー・ロビンス, 監督:ラデュ・ミヘイレアニュ
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ブルーレイディスクも発売されており、こちらはメイキング映像やブックレットの特典があるそうです。

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笑いと感動のバランス

笑いと感動のバランスって難しいなと思いました。

本物のボリショイ交響楽団の仕事を乗っ取るという展開からしてコミックにならざるを得なかったのだろうけど、公演に向けて楽団員たちが奮起して一生懸命練習するようになったとか、どこかで感動に向けた真面目な切り替えをしても良かったのではないかなと。

本番までドタバタで練習一つせず、ソリストの音色で昔を思い出したら急に演奏できるようになって奇跡起きちゃいましたって、ちょっと強引に感じました。

それでもチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲という名曲と、メラニー・ロランの超絶美のおかげで、感動的な仕上がりになっているのは不思議なところ。

結局なんだか急に感動しちゃったわ的な展開を体験したい人におすすめします。

この映画を観た後は、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲が聴きたくなります。ギドン・クレーメルのヴァイオリン協奏曲が好き。

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最後まで読んでくれてありがとう。
Hasta luegui!!!

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この記事を書いた人

スペイン語とスペイン文化+αを学ぶため会社を退職して2015年〜2021年までスペインのセビージャ暮らし▷2024年東京大学文学部に学士入学して現在は美学芸術学専修の3年生。好きな言葉は「我々は無理をしない」のふなっしー推しなっし。多言語学習中。X(twitter)は悩める大学生活や勉強に関するポスト多め。

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