2019年6月28日(金)にスペインで、映画「Los Japón(ロス ハポン)」が公開されました。
日本が題材となったスペインのコメディ映画。しかも主演は好きな俳優ダニ ロビラ(Dani Rovira)。これは見たい!
そう思ってたら、思いがけずコリア・デル・リオで開催される映画の先行上映会のお手伝いをすることになって、その代わり映画を観させてもらう機会を得ました。ラッキー!
というわけで、ただいま絶賛上映中のスペイン映画「Los Japón(ロス ハポン)」の感想を書いてみます。これから観ようと思ってる人はネタバレするので閲覧ご注意を!
スペイン映画「Los Japón」のあらすじ要約
「Los Japón」はスペインのコメディ映画です。色々なツッコミはさておき、あらすじを簡単に説明すると
セビリア郊外にあるコリア・デル・リオは、400年前に支倉常長らが慶長遣欧使節団として立ち寄ったところ。
慶長遣欧使節団の武士の一部は日本に帰国せず、そのままコリア・デル・リオに住みついたと言われています。
その武士たちの子孫がスペイン語で日本という意味の「ハポン」姓を持っており、彼らは武士の末裔であることを誇りに思っているのだそうです。
「Los Japón(ロス ハポン)」は、武士の子孫と言われるハポンさんと日本を題材にしたスペイン映画。コリア・デル・リオの普通の男性が、急に日本で天皇になったことを描くスーパーコメディなのです。
この時点でだいぶファンタジーな設定のあらすじですが、映画が見るとさらなるファンタジーが見られます。笑。
主演はダニ ロビラとマリア レオンの豪華陣!
「Los Japón(ロス ハポン)」の主人公パコ ハポンを演じるのは、マラガ出身の俳優ダニ ロビラ。
ダニ ロビラは、大人気のスペイン映画「8 apellidos vascos」「8 apellidos catalanes」に出ているコメディアン兼俳優で、コミカルな演技がお上手です。私が好きな俳優さん。
この2つの映画はスペイン語があまりわからなくてもテンポ良く観られるので、初心者にもおすすめです!
パコの奥さん役はセビリア出身の女優マリア レオン。お母さんのカルミナ バリオスはセビリアの人気者。お兄ちゃんのパコ レオンも有名な俳優で、俳優一家です。
ダニ ロビラ演じるパコ ハポンの側近は、日本人の松本良さん。
スペインに長く住まれているフラメンコの踊り手さんとして、私は一方的に松本良さんの名前を存じ上げておりました。現在はスペインで役者さんしても活躍されているようです。
「Los Japón」の面白さの半分は、松本良さんが担っていると思います。本当に素晴らしかった!
本来は流暢にスペイン語を話す方だと思いますが、映画内ではあえてゆっくりはっきり話されていたと思います。最後の瞬間はアンダルーが垣間見えたかな?
コリア・デル・リオでの先行上映会にはダニ ロビラとマリア レオンは来ていなかったけど、松本良さんは来てらっしゃいました!
「Los Japón」は完全なるフィクションコメディ(ネタバレ注意)
ここから、スペイン映画「Los Japón(ロス ハポン)」の私の感想にうつります。
「Los Japón」は完全なるフィクションのコメディ。それを理解した上で見たつもりでした。そのつもりでしたが…
日本のイメージってこんなん?と笑えるシーンがたくさん。
- 天皇陛下の部屋が赤と金のキンキラキン
- 刺客は忍者
- フグを食べたら顔が腫れる
- 警察署の中に刑務所
混浴温泉のシーンも出てきたけど、あそこまで男女がくっついて入る混浴温泉はなかなか見かけない。あれも日本のイメージなのでしょう。
「えっ!?日本ってこんな感じ?」と突っ込みたくなるシーンは多々あります。
だから、スペイン人のお客さんが笑うポイントと私が笑うポイントはちょっとずれてた笑。
日本人の側近たちがパコに天皇になってもらう依頼に来た時、奥さんのマリア レオンが「玄関の外に日本人がいる」と言ったらダニ・ロビラ(パコ)が「日本人って日本の日本人?」と聞くシーンがあります。
マリア レオンが「(日本の日本人か)トリアナの日本人かわからんけど、とにかく日本人がいるのよ」返すセリフがアドリブっぽくて個人的に吹いてました。(周り誰も笑ってなかったけど)
パコが初めてウォシュレットを使ってびしょ濡れになったシーンや、
日本語を学ぼうとして側近に「私の言うことを繰り返してください」とスペイン語で言われ、「私の言うことを繰り返してください」とスペイン語で言っちゃうシーンとか、
側近のパコが働いてた工場「車」の社長に不満をぶつけるときの松本良さんの訳とか、
かなり随所で笑えます。
アドリブ感のあるテンポの映画で、2時間あっという間。
日本人が見ると、コメディタッチのちょっとぶっ飛んだ日本のイメージが面白くて特に笑えると思うし、スペイン語も日本語もわかるのでより楽しめますYO!!
で、最後はちょっとウルルン(ネタバレ注意)
散々笑わせておいて、最後にちょっとウルルン。
日本の天皇として初めての仕事である式典に出席したパコ ハポンが、それまでの慣習を覆して奥さんの側近マリコに皇位を継承するシーン。
パコの気持ちが急にグッと伝わってきて、ちょっとウルルンとしてしまいました。
ダニ ロビラはやっぱり好きな俳優さん。
「Los Japón」の撮影はところどころ日本っぽい
「Los Japón(ロス ハポン)」の撮影は、全編スペインで行ったのではないかという疑惑もありましたが、日本での撮影もしたようです。
渋谷のセンター街や竹下通りが出てきましたし、パレードを行った銀座(?)など、日本がいくつか出てきました。
彼らの住まいとして映像に出てきたお城は松本城かな?大きな庭のシーンは浜離宮恩賜公園か?
もちろん皇居の中のシーンは全部セットだろうけど、外のシーンは日本で撮影したことがわかります。日本人の役者さんも何人か出てたしね!
ちなみに温泉のシーン。スペイン人の友達はテネリフェではないかと言っていました。
スペインの映画館で「Los Japón」で観よう!
「Los Japón(ロス ハポン)」は現在のところ、スペインでしか上映しない映画のようなので日本で観ることはできません。
そのうちインターネットで観られるようになるかもしれませんが、スペインにいる人はぜひ「Los Japón」を観に映画館へ!
私は映画好きでも映画評論をするタイプでもない映画ド素人なので、素直に楽しめました。
完全なるフィクションコメディだと思って観たら、笑えるよ!
ちなみに、エンドロールが終わった後にもお楽しみがあるので、最後の最後までお見逃しなく!これ見逃したらもったいないよ〜!
最後まで読んでくれてありがとう。
Hasta luegui!!!
コメント
コメント一覧 (4件)
はじめまして。
先日スペイン旅行に初めて行ってきた者です。
実はバルセロナでこの映画の存在を知ったのですが、28日(つまり公開日)に、スペインを発ったので残念ながら見れませんでした。
早くネット公開してもらえたらいいなと思ってます(叶うなら、日本で一般上映)。
今回の旅行でスペイン大好きになったので、これからも現地情報お待ちしています。
ありがとうございました。
> 頑張って西語マスターしよっ 様
ブログ読んでいただきありがとうございます!
『Los Japon』の公開に間に合わなくて残念でしたね…。
映画の内容的に日本で一般上映されるのは難しいかな〜というような気もしなくはないですが、小さい映画館で上映したりはしそうな気もします。
日本人が見るとかなりツッコミどころが多くて、いろんな意味で面白いです。
インターネットでは見られるようになりそうですね!
ネット公開されたら、私ももう一度見たいです。
こちらこそブログ訪問してくださりありがとうございました!
またお時間あるときに覗きに来ていただけたら嬉しいです(^^)
突然で失礼します。実は私はこの映画の日本ロケに参加しました。スペインスタッフはとても気さくで面白いスタッフばかりでした。撮影実数は短期間でしたが現場はとても楽しかったです。庭園の撮影は浜離宮ではなく新宿御苑なのです。
>Masataka Utena さん
記事読んでいただきありがとうございます(^^)
『Los Japon』の日本ロケに参加されたのですね!スペインのスタッフは楽しそうですね〜。
さて、庭園が新宿御苑だったとは意外です。
以前に浜離宮の近くで働いていて、上から見ていた浜離宮に雰囲気が似ているなぁと勝手に思っていました。
貴重な情報いただけて嬉しいです。ありがとうございます!