フラメンコ

フラメンコにおいて “improvisar” するということ。即興の意味を考える。

2019-10-23

フラメンコにおいて “improvisar” するということ。即興の意味を考える。

フラメンコではしばしば “improvisación(即興)” が重要だと言われます。

では、 “improvisación” とは何を指すのか?

何も準備しないで歌える、弾ける、踊れるのが即興なのか?リハーサルなしのぶっつけ本番が即興なのか?

最近クラスを受けていて即興について考えることがあったので、フラメンコの “improvisación” について現在の自分の考えをまとめてみたいと思います。

フラメンコでは即興が重要?

フラメンコは即興性のある芸術です。

あらかじめ振り付けが決まっていて、歌やギターに合わせて振り付けを合わせるのではなく、カンテ(歌)、ギター、バイレ(踊り)のいずれもその場の状況に合わせて即興する。

3者がそれぞれ即興しながら合わせていくのだから、とても難しいことです。

でも、その即興性によってその都度違ったものが生まれる。

初めて顔を合わせた同士でも、コンパスという共通の土台があれば、一緒にフラメンコを楽しむことができる。

“improvisación” はフラメンコの大きな魅力です。

バイレフラメンコにおける即興とは

“improvisación(即興)” と言うと、全く準備をしないで歌える、弾ける、踊れることのように思い浮かべる人もいるかもしれません。(それはかつてのアタシか!)

バイレフラメンコを始めたばかりの頃、

即興で踊るって何?不可能!

と私は思ってました。

しかし、全く準備もせずにその場のカンテやギターに合わせて踊ることが “improvisar” ではないということを、最近なんとなく感じています。

もちろん、タブラオなどフラメンコのアーティストが仕事をする場ではリハーサルする時間はない。だからタブラオの舞台で見るフラメンコはほとんどぶっつけ本番即興です。

では即興とは何?

私がとっても尊敬するアーティストがクラスでこんなことを言ってました。

劇場でもタブラオでも舞台に上がる前にカンタオール(歌い手)やギタリストと話す。ここで止まりたい。歌は3つほしいという要望を伝える。
カンタオールやギタリストが自由に歌って弾けるように、歌を指定したりすることはないけど、舞台に上がる前にコミュニケーションを取ることは重要。

全部決まった振り付けをやることはない。冷たく見えてしまうから。
でも、どんな感じでやりたいかの話はもちろんする。
大枠を伝えたら、残りの部分は “improvisar” するよ。

なるほど。頭の中では何となくこんな感じで踊りたいなというイメージはあり、そのイメージをカンタオールやギタリストに事前に伝えているわけですね。

「タブラオの仕事では最初から最後まで踊ってリハーサルをすることはしないけど、自分がこうしたいと思う部分を伝えるのに恥ずかしがることはないよ!」って。

お互いに何もわからず歌い始め、弾き始め、踊り始めるのではなく、舞台に上がる前には互いのイメージや空気が同じ方向に向くような何かしらのコミュニケーションを取っているのだね。

それによって3者の信頼関係も高めていけるのかもしれない。

タブラオの休憩時間に出演アーティストたちが「こんな感じでやろうよ」と、一部分を合わせているのを見ることがあります。

つまり、舞台のバイレフラメンコにおいては、即興の部分と「ここはこうしたい!」とあらかじめ考えている部分が混在しているのだと私は理解しました。

もちろん、全くコミュニケーションなしでも彼らはプロだから舞台に立てます。

でも、舞台に上がる前に話をすることは、同じ目的に向かう同志とのコミュニケーション。即興うんぬんの前に大切なことなのではないかなと思いました。

フィエスタやフエルガの場は完全に即興

劇場やタブラオなど舞台のフラメンコとは違い、フィエスタやフエルガなどの場はリハーサルどころか事前にコミュニケーションする場もないので、完全に即興になると思います。

私も何度かフィエスタの場で踊らせていただいたことがありますが、誰が歌うのか、誰が弾くのかはもちろんわかっていません。

自分が師事しているアーティストが歌ってくれたりギターを弾いてくれていたら、格段に踊りやすい。なぜなら彼らは私のやりたいことを瞬時に汲み取ってくれるから。(これ自体も彼らのものすごい才能!)

でも、全く初めましてのカンタオールの歌で踊る時は、いつも心臓が口から出るくらいのド緊張です。

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セビリアにあるフラメンコの像
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フラメンコの improvisación に関して私が思うこと

フラメンコで即興するということは、本当に難しい。

即興で踊ることができるようになるには、ほとんど何も考えずにでも自然とパソやパタイータが出てくるくらい練習しなければいけないという膨大な壁がまず最初にあります。

そして、歌の良い感じのところに振り付けを当てはめることが即興というわけでもない。歌やギターを聴いて自然に反応が出てくるようになるくらい、カンテのアフィシオナードであることも大切。

フラメンコの惹きつけられる部分は、即興性から生まれる。誰も予想していない、本人すらも予想していないことが起こる瞬間。

それをこの目で見たいし、体験したい!

私がフラメンコを続けている理由の一つかもしれないです。

最後まで読んでくれてありがとう。
Hasta luegui!!!

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moni

スペイン語とスペイン文化+αを学ぶため、会社を退職して2015年〜2021年までスペインのセビージャ暮らし。スペイン生活の中で気づいたこと、セビージャのこと、旅の思い出、スペイン語などなどをブログに記録。熱中したら止まらないB型。vlogをYouTubeにあげてます。Sevilla tiene un color especial〜♬
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