急がば回れ! −33歳で会社辞めてスペインのセビージャで留学中。

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セビージャのセマナサンタ2017で起きた恐怖のパニック

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2017年セマナサンタ中のセビージャの街中でそれは起きました。大勢の人が叫びながら一斉に秩序なく走り出し、あたりはパニックに。本当に怖かった。私がスペインで体験したことの中では最悪の出来事です。

 

過去にもあったパニック

セビージャのセマナサンタでパニックが起きたのは初めてではないそうですが、今年2017年ほど大きかったものはなかったようです。テレビやネットのニュースでも取り上げられ、少なくとも8人の逮捕者が出ていると言います。

ネガティブなことなので記事にするか迷いましたが、セマナサンタの時期に観光や留学で滞在する日本人もいると思うので、こういうこともあったのよ、と知っておくだけでも何か違うかなと思い、記事に残します。

 

セマナサンタMadrugáの重要なタイミングで起こった

セビージャのセマナサンタで最も重要と言われる日、木曜から金曜に日付が変わった頃(Madrugá)に行われるプロセシオン(行進)最中にパニックは起こりました。

時間は2017年4月14日(金曜になってた)夜中の4:10頃。セビージャ市内の各教会から全ての山車が出てきていて、街中を行進をしていました。

El Silencioのプロセシオン

私は2:30にLos Gitanos(ロス・ヒターノス)のプロセシオンを見た後、Calle Cuna(クーナ通り)でEl Silencio(エル・シレンシオ)のプロセシオンを見ていました。

El Silencioのプロセシオンは、真っ黒い衣装のナサレノ(頭巾かぶっている信仰者たち)とキリストが、もの悲しげな音楽と共に歩きます。シーンと静まり返った静寂の中、次の目的地へそろそろ向かおうかと表通りに出た瞬間に事件は起きました。

後方から「走れー」とか「発砲だ」とか叫びながら全速力で走ってくる人たち。そのあまりの勢いと人数にびっくりして、思わず私も走りました。全速力で。どこに行けばいいのかもわからず友達と走って、途中で転んで出血して、でも走って・・・。

 

何が原因で皆が走り出したのかわからない

セマナサンタ中のセントロは通行止めがたくさんあるので、通行止めにぶつかりました。同じく走ってきた人たちに「何があったの?」と聞くと、「ピストル持ってる人がいるって言ってた」とか「誰かが走れって言ってたから走ってきた」と言います。私もその一人です。

でも、発砲の音を聞いた人は誰もいないし、何か具体的な被害はなさそうでした。

震えが止まらない友達と私。テロとかある時代だし、外国だし、何が起こるかわからないな、と思いながら、友達の手をつなぎ気持ちを落ち着けていました。

El Silencioのプロセシオンって全身黒で静まり返ってるからすごく怖いんです。それがさらに恐怖を助長していたってのもあります。あー怖かった瞬間が蘇る。

 

ざわつく人々

通行止めのところにいてもしょうがないし、何もなさそうだからとりあえず目的地の方に向かうか、と言って私たちは再び歩き始めました。表通りに出たら先ほどのEl Silencioのプロセシオンが固まっていて、通りがざわついていました。

通りを歩いている人は皆この話をしていました。「ナサレノも頭巾を放り投げて逃げてた」とか「喧嘩が発端らしい」とか「同じ時間に複数の場所で起きているらしい」とか、いろんな噂が飛び交っていました。

 

2回目の走れ!パニック

目的地に向かって再び歩き始めて10分程経った時、またその瞬間が訪れました。今度は表通りではなく、そこまで人通りが多いわけではない裏通り。真正面から若者たちが全速力で走ってきました。「走れー!」と叫んでいます。

「えっまた!?」とか思って、でも友達が「走るよ!ほら!」って言ってきたので50mくらい走ったら正面からも走ってくる。「えっどっちも!!??」と思って焦ったのですが、ある若い男子の「走るな」の一言でハッと思い走るのをやめました。

彼は、友達がこのパニックで気分が悪くなり道にしゃがみ込んでしまっていて、その友達に水をあげていました。「みんなが走るからパニックになるんだよ。みんな落ち着いて!」と言っていました。よく考えればその通り。

 

怖くて帰りたい

何が原因か知らないけど、いろんな人がこの話をしていて、同じ時間に複数場所で起きているなんて怖すぎる!友達に「どうする?この後」と聞かれて、正直帰りたいと思いました。でも、一人で家まで帰る道もそれはそれで怖い。

心臓はずっとドクドク。タスケテー。

とりあえず大通りに出ようと友達を相談して、大通りに出たら混乱している人たちがたくさん。子供は泣いているし、年配の男性は気絶しかけてるし、泣きながら家族に電話している人も。

友達が「何があったかご存知ですか?」と近くのセニョールに聞いたら彼は、「悪いイタズラをしている奴がいるだけ。皆走ってるけど原因が何か誰もわかってないし、誰も何も見ていない。何かあっても走らなくていいから。」と言っていました。

セニョールの言葉に少し落ち着きを取り戻した私たちは、少しだけ続きを見てから帰ることにしました。その後2つのプロセシオンを見たけど、やっぱりどうしても穏やかな気持ちで見ることができませんでした。朝6時頃、帰ることにしました。

帰りのタクシーの運転手さんに話したら、「タクシーが通るような場所はセマナサンタの行進がないところだから詳細は知らなかった」とのこと。運転手さんも「初めてじゃないと思います」と言っていました。降り際に「落ち着いてお休みできますように。」と言ってくれて、少しホッとしました。

 

パニック事件の詳細

帰ってから悪い意味での興奮が収まらず寝付けなかった。

翌朝出ていた複数の記事によると、逮捕された人たちが突然叫んだり(叫んだ内容は不明)、持っていた金属で音を出す等して周囲の人を脅かし、それによって周囲の人が急に走り出した。それが連鎖となって大パニックになってしまった。

 

逮捕者は今のところ8人で、中には前科がある人もいるようです。詳細は引き続き調査中とのことです。

 

複数場所で同時に起きたというのは本当でした。サルバドール、レジェスカトリコ、クーナ通り、ドゥケ広場、ポスティゴとどこも人が多く集まる場所で、プロセシオンがその時間に通っていた場所で事件は起こっていました。

Carreras en el Salvador, Reyes Católicos, Cuna, el Duque, el Postigo…
Diario de Sevilla

私の友達はマカレナでプロセシオンを見ていて、「マカレナでも起きた」と言っていましたし、帰りに話した警察官によると、トリアナの橋周辺でもたくさんの人が走っていたそうです。

 

ナサレノもこの異常事態に業務を遂行できなかった模様。ナサレノにはもちろん子供もたくさんいますので、訳が分からなくパニックになったと思います。演奏を続けることができなかった音楽隊もいたようです。

Muchos nazarenos de La Esperanza de Triana así como de El Gran Poder han abandonado su sitio
sevilla.abc.es

(トリアナのエスペランサや、グランポデールの多くのナサレノたちは彼らの持ち場を離れた)

 

パニックになると何も考えられない

こういう経験を初めてしました。人って混乱すると、それが周りにすごく連鎖するんだなと思いました。私も何もわからず走ってたので、それにより他の人のパニックを引き起こしていたと思います。

このニュースに関するある記事で、「セマナサンタがどういう場所かシチュエーションかを一人一人が考えればあのようなパニックは起こらなかったはず。」というようなことを書いていました。急に皆が叫んで走り出したあの状況を見たら冷静に「いや、大丈夫っしょ」なんて考えられないだろうと私は思ったのだけど、あるご婦人が「マリア様の前ですよ。みなさん落ち着いて。」と言っている映像を見て、なるほどそういう考えなんだなと思いました。

ただ、私はやっぱり冷静に思考するのは無理だったと思う。だって、「発砲だ!」とか言っている人がいる時に、「セマナサンタでそんなことあるわけないじゃん、落ち着け!」ってその場で思考できるかな。慣れてる人だったら思えるのかな。私は恐怖しかなかった。もうとにかく逃げるしかない、みたいな。

今はセマナサンタで同様のパニックがあったことを知ったので、同じシチュエーションになった時に少しは落ち着けるかもしれない。けど、やっぱりとっさに走っちゃう気がする。。。

 

ちなみに走っている最中、大きく転倒して膝を負傷しました(汗)。起き上がる時、持っていた大きめのバッグを置いてけぼりにするか一瞬迷ったんだけど、「NOOO. バッグには大切なお金や、iPhoneやサンドイッチが入ってるー。。。!!!」と思い、バッグと共に逃げました。バッグは軽量なやつの方がいいと思います。これは真面目なアドバイスです。

 

最後まで読んでくれてありがとう。
Hasta luegui!!!

 

セマナサンタの基礎知識についてはセマナサンタ(Semana Santa)のギモン解決をご覧ください。

[参考]
Diario de Sevilla
sevilla.abc.es


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